バラバラに分解してしまった引出しをお持込になられました。

カリモク製ではないかと思われるサイドボードの引出しだそうです。
引出し部分は桐材でできています。
前板は、多分ブナ材でしょうか・・・。

しかし、まるで分解したかのようにここまできれいにバラバラになるとは・・・・、ある意味難しい仕業です。
お客様自身でボンドをつけて修理しようかと思ったそうですが、でもやっぱり専門家に修理してもらおうと思い安田屋家具店に持参されました。お客様のこのお考えは大正解です。

一見修理は簡単そうに思えますので、お客様自身でやられるケースは多いです。ただお客様宅には修理道具が完全に揃っているわけではありませんので、ボンドを糊付けして組み立てることだけを行われます。肝心なのはボンドを糊付けして組み立て、さらに固定治具で糊付け部分を圧着させないとボンドの接着効果が得られません。この固定治具をお持ちでないので、ボンドの接着効果が薄く、またバラバラになってしまうケースが多いです。さらに接着する時に固定治具を使用しないと、形がいびつな状態で固定されてしまうので、接着後家具本体に引出しが入らなかったりするケースも多いようです。

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ボンドを糊付け後、固定治具を4本使用して1日圧着させておきます。
この時に四角形がいびつにならないよう水平な場所で組立作業を行います。

1日経過した後、固定治具を取り外します。
さらに強度を増すために、四隅に三角形の補強材を糊付けし、さらに釘で固定させます。

これで完璧です。
多少乱暴に使用されても、もうバラバラになることはありません。
今回の修理費用は、安田屋家具店にお持込いただいたこともありますので、税込5,000円です。修理期間は、お預かりして二日後にはお渡しできます。

このような引出し修理の場合、ご自宅に固定治具などの道具が十分揃っている場合は、お客様自身でご修理はできます。道具が揃っていない場合は、ご自身で修理されるのはやめられた方がよろしいですよ。固定治具がないと圧着できませんので接着力が弱く、さらには形がいびつになったりしてしまいます。

よくお客様自身でボンドで接着をしたけれどうまくできなかったからやり直してほしいとご相談をいただきますが、お客様が糊付けされたボンドを除去することがとても大変なんです。ボンドの場合は水をつければある程度接着力が弱まり、再度分解することができる可能性が高くなるのですが、こういう場合に限って強力に接着している部分が多々あり、分解することができないことのほうが多いです。分解できないと、再度接着・圧着しなおすことができないので修理不可となってしまいます。また瞬間接着剤を使用されると最悪です。もう壊れた状態に戻すことができません。この場合は、引出しを作り直さなければならなくなりますので、修理費用が高くついてしまいます。

やはり修理はプロに任せるのが一番です。
【 生兵法は大怪我のもと 】と昔のことわざにもありますから・・・・。
くれぐれもご注意ください。

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