ご修理依頼で多いのが、食器戸棚の扉についている蝶番金具の破損です。

 
 お問い合わせがあり見にお伺いすると、だいたいが15年以上前にご購入された食器戸棚で、使用されている蝶番金具が鋳物製のアングル蝶番金具のがほとんどです。

 この形がアングル蝶番金具です。

 現在は扉の微調整ができるように、スライド蝶番を使用していますので、金具が破損することは数少なくなりました。 しかし食器戸棚に関していうと15年以上前は、ほとんどアングル蝶番を使用していたようです。このアングル蝶番は、家具本体の傾きにより扉の立て付け(水平)が狂った場合、微調整ができません。

 そのため、扉の立て付け(水平)が悪くなったままの状態で使用していてアングル蝶番金具に無理な力が加わり、徐々に金具を削っていきます。

 

 扉1枚に付き大抵3~4個アングル蝶番金具がついていますので、一番無理な力がかかっていたアングル蝶番金具が最初に破損するのですが、扉は残りの金具で取り付いているので、そのまま使用され続けていきます。

 ただ1個アングル蝶番金具が破損すると、扉の立て付けがさらに悪くなり、残りのアングル蝶番金具に無理な力が加わり、次々と折れていきます。

 当店にご修理依頼でご連絡いただくのは、全てのアングル蝶番金具が破損したか残り1個しか付いていない状態になり、扉が閉まらなくなった最悪な時なんですね。

 電化製品と違って、家具は具合が悪くなったと感じてもなんとか使い続けられるので、今すぐ直すという状況にならないからなんでしょうね。

  上が取替えのための新しい金具。

さてこのアングル蝶番金具ですが、現在使用されている型は1~3種類ほどが主流なので、同じ金具そのものを交換すれば事足りるのですが、かっては何十種類と型があり、微妙に大きさが違っていました。

 

本体に取り付ける側は問題ないのですが、扉に取り付ける側は金具を扉に埋めるために金具の型にあわせてくりぬかなければなりません。

 ノコギリで扉側を切り欠く。


ルーターで新しい金具の方に合わせてくりぬき部分を大きくしてから金具を取り付ける

 
今回新しい金具に全て取り替えました。

扉を取り付ける場合、扉の下に3㎜厚さのベニヤ板をかませてから、一番上の金具を取り付けます。次に最下段の金具を取り付け、最後に真中の金具を取り付け、扉の下にかませたベニヤ板を外すと、うまく扉を取り付ける【 コツ 】です!!!

 扉金具を取り替えるときは、1枚の扉についている金具は同時期に全て取り替えられることをお勧めします。同時期に全て取り替えないと、扉の立て付け(水平)がうまくできませんのでご注意ください。

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食器戸棚や収納棚の扉に使用されている扉蝶番金具の修理がここ最近多くなってきています。使用されている金具は【アングル蝶番金具】と呼ばれる金物で、昔は鋳物素材が使用されていたので折れやすかったようです。今回もそのアングル蝶番金具取替え修理です。

家具本体に取り付けてあるところでポッキリと折れてしまっています。

扉の上下2箇所に蝶番金具が取り付けてありますが、両方とも折れてしまっていました。扉側の木部を彫り込んで取り付けてある3本のネジを外し、破損した金具を取り外します。

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