「フジモク」社製のダイニングチェアー背もたれに張ってある籐シートの張替修理です。
使用されている籐シートは「四つ目編みシート」でした。貼り付け・張替えが簡単にできるように一般的な「溝決め込み仕上」でした。
籐シート部分は茶色塗装がしてあります。
さらに椅子本体木部の接合箇所が外れかかっていて、ぐらついています。籐シートを張り替える前に椅子本体の緩みを再圧着して修理しなければなりません。
座面を取外すと、背もたれの接合強度を増すための隅木が、籐シートギリギリに取り付いています。貼りかえる場合、隅木を多少削らなくてはならないかもしれません。
また現在の籐シートはウレタン塗装で着色がしてあります。この塗装はデザイン重視で、椅子木部との塗装色の統一感を計るためによく施されています。塗装部分を良く見ると、塗料がべったりと吹き付け塗装がしてあることがわかります。つまり塗料が厚いんです。これでは籐材の弾力がなくなるのは当然です。
籐職人に言わせると「籐シートを着色すると、籐を塗料で固めてしまうんだよ。そうすると問うの弾力がなくなり、常に突っ張った状態の籐シートになるわけだから、耐久性は低くなるんだよなぁー。籐シートの耐久性を考えると粘り気が残る無着色の生地仕上げが一番いいんだよ」でした。さらに「以前家具工場の社長さんにそのことを言ったらな、耐久性や張替えのことは考えていないって言うんだよなあー。いいのかなぁー」ですって。
籐シートを張り替えた後に着色すると、塗装費用がかかる上に、耐久性が低くなってしまいます。さらに着色しても木部フレームと同色にはなりません。そのため安田屋家具店では、籐シートの張替えの場合、着色仕上げはお勧めしていません。常に生地仕上げをお勧めしています。
木部の再圧着修理後、椅子本体を籐職人の工房に持ち込み張替え作業を行います。
待つこと約10日。
籐シートの張替えが終了しました。
見てください、このきれいな仕上げ方を。
表面も・・・、
裏面も・・・・、きれいでしょう。
溝決め込み仕上げの部分の溝もきれいな状態で仕上がっています。
安田屋家具店が現在の籐職人にするまでにいろんな職人さんに修理を依頼しましたが、どれもこの溝部分の仕上りが悪かったのです。原因は、張替え時に古い籐シートを取り除く時、溝にはめ込んである籐丸芯材を外す時に、工具で溝の渕を傷付けてしまい、ガタガタに木部が傷ついてしまうからです。とてもお客様から修理費用をいただけるような仕上りではなかったです。そんな中、現在の籐職人にたどり着き、今では安心して張替えを任せることができます。
籐シートの張替えは、仕上りのきれいな安田屋家具店にお任せ下さい。見積は無料です。籐シート部分の写真とサイズをメールで送っていただければ修理費用をご連絡いたします。お気軽にご相談下さい。
今回の張替え修理費用は、籐シートの張替えが1脚税込17,000円(送料別途)。椅子ガタツキ修理費用が1脚税込5,000円(送料別途)でした。