本日、デスクチェアーが入荷してきた。アーロンチェアーの模倣的なデザインです。価格は税込21,000円。安くなってしまいましたネェー!!、家具屋がどんどんつぶれていくわけダァーー!!
お届け前に組立です。
組立自体はそんなに難しいものではないので、一般の方でも、女性でも説明書を読めば簡単に組み立てることができます。構造がシンプルなので、座面と背面と肘をビスで止めて、脚に支柱を差し込めば完成です。所要時間15分もあれば組立完成しちゃいます。
ただ中国製商品の中には、説明書通りに作られていない場合が多いですのでご注意下さい。もともとの試作段階では、ちゃんと説明書通りに作られるのですが、正式発注をして日本に入荷した商品を点検すると、試作品どおりに作られていない商品が多いそうです。つまり試作品でどれたげ細かくチェックしても、発注後に入荷する商品の作りは、図面どおりに作られていないことが多々あり、日本で手直しする場合か多いんで困っちゃいますよと輸入をしている家具工場が嘆いていました。
その実例が四代目が組み立て始めてすぐに現れました。座面に取り付ける金具と背もたれを取り付ける金具のネジ穴位置が大きくずれてしまっています。
本来であれば、座面裏に取り付ける金具にあけられている穴の中央に、背もたれ金具を取り付けるためのネジ穴があいていないといけません。がしかし・・・・、大きくずれてしまっていることがわかります。
設計時の考えでは、座面裏に取り付けた金具に、背もたれ金具を重ねて取り付けるネジを一緒にすることで強度が増加させるということが考えられていたと思います。
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しかしそのためにあけられた金具の穴とネジ穴の位置が大きくずれていては、設計当初の考えが生かされません。日本の工場では絶対に考えられないミスです。もしこのような状態の商品であれば、すぐに返品交換ですし、工場もこのデスクチェアーの商品のネジ穴位置を再度あけなおすリコール作業を行うことでしょう。
しかし今回のデスクチェアーは、価格も価格なので輸入元が返品・交換を受け入れないと思います。返品・交換費用が商品価格よりも高くなってしまいますからね、輸入元としては受諾しないでしょうね。また中国製なので返品して交換したとしても、他の在庫商品も全て同じ症状の商品なので、つまり設計通りの商品が入荷していないということ、同じ症状の商品がまた届くだけのことです。あきらめるか、自分でネジ穴位置をあけなおし、メスネジを入れ込む補修を行なわなければなりません。
ずさんな中国商品ですが、家具業界の人間はみな「こんなもんですよ」とあきらめています。ものづくりに対する日本人と中国人の考えの違いは、国民性なんでしょうね。まっ、こんなものです。
さて話を戻しますが、ネジ穴位置がずれていることを発見した場合、一般の方ですと「説明書と違うじゃない」「どのネジ穴位置に取り付ければいいのか、わからないじゃん??」「組み立てられないじゃん」などととまどってしまうことでしょう。すぐに注文先の家具屋、インテリアショップに「組み立てられない」と電話を入れることでしょう。でも返品・交換は受け付けないでしょうし、受け付けたとしてもまた同じ状態の商品が入荷するのですから、組立完成に向けた問題解決にはならないことでしょう。
家具業界の人間であればあわてません。
「中国商品はこんなもんですよ」と本来使用すべき金具の穴を使用しないで、背もたれ金具を取り付け可能なネジ穴にビスを入れてねじ込み固定してしまいます。4箇所のネジ穴位置と背もたれ金具のネジ穴位置は合致していましたのでスムーズに取り付けることができました。ただ説明書どおりの組立完成にはならなかったですが、設計時の考えである金具と金具を押さえて強度を増すという考えは、ほんの少しだけ座面裏の金具を背もたれの金具が重なり合って押し付けている状態で固定できましたので実行できたかなと思います。
当然、耐久性にはなんら問題ありません。その説明をして安心してお客様にはご使用いただいております。
ちなみにこのデスクチェアーの将来ですが、張替えは可能ですが、新品の商品価格よりも高価になります。そのため修理するのではなく、使い捨てて買い換えられる商品となりますので、あしからず。
尖閣諸島問題で日本と中国がクローズアップされていますが、今回の内容はその問題とはまったく関係ありません。中国商品の不買なんてことを言いたいわけでもありません。実際、こんなもんですよという類の民間レベル、それも街の小さな家具屋の五十路の親父のたわいごとです。
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