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「チターノ」製ソファー張替

【 チターノ 】ブランドのソファー張替修理に関するご相談がありました。10年ほど前にご購入され、愛着を持って使い続けられてきましたが、張り布が汚れてきたこと、座面が落ち込んでしまうことから修理費用がどの程度かかるかというご相談でした。

座面中央が凹んでいるのがわかると思いますが、座面内部に使用されている「S字型バネ」が脱落しているようです。
サイズは幅1500ミリ、奥行750ミリ、座面奥行500ミリ、厚み150ミリ、背もたれ高さ470ミリ。ラブチェアータイプです。

「chitano/チターノ」は、大型家具工場「カリモク」の中の一つの商品ブランドで、現在はなくなっていると思います。

2,500円/mの無地の布地を使用して張替、背・座面中身のウレタンクッション材を補充し、脱落しているS字型バネを補修する修理を含めて、安田屋家具店専属職人で行った場合、税込69,000円。
大型工場のプライドもあるだろうから、製造元であるカリモクで行った方が、自社の製品なんだから張替修理費用は安田屋家具店よりも安価だろうと思い確認したところ、意外や意外、かなり高くてビックリ!!!
なんと税込10万円近くかかるという回答でした。この価格ではお客様にご提案することはできません。

 

どうやらカリモクの場合、製造中止から10年ほど経過すると型紙などが無い状態となるので、型紙をつくるところから始めることとなり市場の椅子職人よりも高くなるようです。ただし現在も製造している商品の場合は、当然新品の販売価格よりも安くできるようです。このあたりは張替する商品を確認してから、カリモクで行った方がよいか、市場の椅子張り職人で行った方がよいか思案しないといけません。ちなみに本革張り商品の張替の場合は、カリモクで行った方がはるかに安価でした。大型工場であるため材料である本革のコストが断然安いからです。

家具は耐久消費材であるにもかかわらず、カリモクという日本を代表する大型家具工場を筆頭に、ほぼ全ての工場の考えが価格が高い・安いに関わらず、修理価格が販売価格よりも高くなってしまうという、構造的欠陥があるように思います。
まだまだ大量生産 ⇒ 大量消費 ⇒ 大量廃棄 というサイクルから抜け出せません。先が思いやられます・・・・・。

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4月 28, 2010 · Posted in 家具リフォーム・修理, 椅子張替え  
    

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