「チターノ」製作のソファー張替えに関するお問合せがありましたのでご紹介します。
「チターノ」とは、カリモクの別ブランド名で、カリモク商品とよく似ているがデザイン的に少し違えた商品を製作していました。というのもカリモク商品を展示する家具店が多々あった当時、商品展示の重複を避けるために別ブランド商品を開発したのでした。また大型店のオリジナル商品として取り扱っていたこともあったようです。価格的には、カリモクブランド商品よりも安かったと記憶しています。いずれにしても名前は「チターノ」ですが、製作していたのはカリモク工場でした。
さて今回ご相談いただいたソファーは・・・・・、
座高がかなり低いタイプのリビングコーナーセットです。
左片肘椅子×1、肘無椅子×1、コーナー椅子×1、二人掛け右肩肘椅子×1脚のコーナー4点セットのようです。生地は革張りタイプのようです。早速、安田屋家具店の資料庫に行き、昔の「チターノ」カタログを探し出しました。1990年12月製のカタログを見つけました。
写真と同じデザインのチェアーが掲載されていました。
商品名は「URBAN EXCELLA」アーバン・エクセラというシリーズの「Z11055GB」です。背もたれ、座面の身体が触れる部分は本革を使用し、外面には合成皮革を使用した半皮(ハンピ)仕上げのようです。1990年といえば今から21年前です。当時の価格を見てみると、
- 左片肘椅子が、86,400円
- 肘無椅子が、59,600円
- 二人掛け椅子が、156,000円
- コーナー椅子が、96,200円
4点合計が398,200円でした。当時の消費税率は3%だったので、11,946円の消費税を加算して、税込410,146円だったわけです。当時でもかなり高額なソファーだったと考えます。もっとも当時のソファーのほとんどは国産でした。中国製などの輸入品の低価格商品は、品質が非常に悪くてあまり流通していなかったと記憶しています。
現在に置き換えると、この価格帯の国産のソファーは皆無のようです。現在では、made in China製の総本革張りのソファーセットが半額以下で購入できる時代になってしまいました。
さて張替え価格は、今と同じ半皮(ハンピ)仕上げの場合と、合成皮革(ビニールレザー)仕上げの場合での2種類の見積もりを職人さんにお願いいたしました。また本革を使用するので、製作したカリモクにも見積もりを依頼しました。ちなみに「チターノ」ブランドはすでになくなってしまっていますので親会社のカリモクに依頼したわけです。
地元の職人とカリモクとどちらの金額が安いか興味津々な四代目でした。