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江戸末期のたんす

 江戸末期、慶應三年のたんすリフォームを行っています。

 慶應三年、西暦でいうと1867年、今から142年前に作られたたんすです。

 この年は「夏目漱石」が誕生し、徳川慶喜が朝廷に大政奉還を行い徳川270年の時代に幕が下りた年です。

 そして翌年の9月8日に「明治元年」となったのです。

 先日の「天保7年」のたんすといい、今回の「慶應3年」のたんすといい、歴史上の大きな出来事があったときに作られたたんすのリフォームを手がけていることに、なんだかすごいことだなと思います。

 さて今回のたんすがなぜ「慶應3年」かとわかるのか??

 

 昔のたんすには作られた時とか、購入した時の年月や名前(製作した職人名、または購入した人の名前)を墨書きしてあるんです。たんすの引き出し底板の裏面とか、側面とか、たんす本体の見えない内部板とかの場所です。

 

 今回は上から二番目の引き出しの向こう板に墨書きされてありました。

 縦にしてみてみると

 

 拡大してみると

 慶應三年夘正月

 求之 天則守塔

 正しいかな??、 

 古いお寺のたんすです。虫食い状態がひどく、リフォーム作業が難航しているようです。

 仕上がりましたらリフォーム後の写真と、たんすの歴史をご住職からお聞きしてまたお伝えします。

 

 それにしても142年間使用されていて、さらに今回のリフォームでまた何十年と使用され続けていかれるのだから、このたんすに使用した木が伐採されるまで育った年数をとっくに超えているんだろうなぁ。

 100年かけて育った樹を伐採して作った家具は、少なくとも同じ年数だけ使い続けていかないと次の樹が大きく育ちません。これも昔の知恵です。声高らかに言わなくても、昔の人はちゃんと循環型社会、もったいない精神、ECO活動をやっていたんですね。

 

 使い捨ての家具を作り続ける家具業界、また粗大ゴミとなる家具を低価格の魅力に負けて購入してしまう消費者。どちらとも考え直さないといけない時期が来ているように思います。

 

 使い捨ての安物商品を扱わない家具店は、現実的にはどんどん閉店・廃業していっています。本物だけを扱うと利益的には大変苦しいからなんですね。安田屋家具店を含む消費者をだまさない正直な家具専門店は、もがき苦しみながら日々戦っています。ガンバレー!!

11月 2, 2009 · Posted in 家具リフォーム・修理  
    

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