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伝統・匠の芸術逸品展 3日目

 昨日お伝えした安田屋家具店にて現在好評開催中の「伝統・匠の芸術逸品展」~ペルシャ・トルコ 美術絨毯特別展~会場の様子をお伝えいたします。昨日は1階会場でしたので、今日は2階会場をご案内いたします。

 1階奥のエレベーターで2階会場へ進みますと、まず入口でご覧いただくのが、幻の絨毯「ガズニラグ」です。

 日本ではほとんど目にすることのない、見られないアフガニスタン民族絨毯です。ギャベに似ていますが、ペルシャ絨毯と並ぶ歴史を持ち、紡績から織、仕上げに至るすべての工程に機械を一切使わず仕上げられたアフガニスタンの手織り絨毯です。厳しいアフガニスタンの自然に磨かれた良質な羊毛で明快かつモダンなデザインを織り描いている逸品です。

 ガズニラグの横には、今回の新商品、はじめてお披露目する絨毯「ODEGARD(オデガード)」。ネパールの手織絨毯を世界に広めた第一人者といわれているアメリカ人のステファニー・オデガード コレクションの逸品です。ネパールの手織絨毯の伝統と、現代的な感覚が見事に融合した絨毯です。

 会場中央には、絨毯を広げてご覧いただくスペースも設けてあります。

 2階会場左壁面には、絨毯の至宝、ペルシャ絨毯各産地ごとに区分して展示してあります。

 各産地では、デザイン、色使い、素材、織り方等、それぞれ違った特徴のある絨毯が作られており、絨毯の名前は産地の地名で呼ばれます。(遊牧民の絨毯やキリムは部族名で呼ばれます)

 まずは『ナイン』と『カシャーン』

 「ナイン」はイラン中央部にある地区です。
 独特の落ち着いた配色が特徴のナイン絨毯は、イスファハンの東方に位置するオアシスの街です。色彩を抑え、ベージュやブルーを基調としたトーンは、私たち日本人の感性にもよくなじみます。

 「カシャーン」はイランにある地区です。
 中央ペルシャの都市カシャーンは、古くからの工芸の街として知られ、タイルや陶器、絹織物がつくられていました。サファヴィー朝当時につくられた名品絨毯も数多く、おおいに評価され、「カシャーンからやってきた人」という言葉が絶大な賛辞に値するという事からもうかがえます。しかし、現代のカシャーン絨毯は良品には属するものの、他の産地のような発展は見せず、伝統的な色使いと構図のものが、ただ作り続けられている感があります。デザインとしては、菱形メダリオンの伝統的なラチャク・トランジや全面アラベスクのアフシャーンなどが中心です。

 「カシャーン」のとなりには『タブリーズ』と『コム』と『ヘレケ』

 「タブリーズ」はイランにある地区です。
 イラン西北の要衝に位置し、シルクロードの交差点として栄えた貿易都市です。早くから絨毯の産業も発達し、正確な織技術や多彩な柄のバリエーションは、世界的に高く評価されています。

 次に『コム』。「クム」とも呼ばれています。
 「コム」はイランにある地区です。
 シルク絨毯では、ペルシャ第一を誇るコム。その歴史は比較的新しく、1930年代に始まりますが、各地の優れたデザインを積極的に採用し、新しいペルシャ絨毯のスタイルを誕み出しました。

 ここで「コム」に関する注意情報。
 大型小売店を始め、ほとんどの絨毯屋が「コム」と称して堂々と売っている安価な「コム」商品のほとんどは、日本人バイヤーの希望により「コム・○×工房」 とサインが入れられた別産地のコピー商品で、品質は落 ちます。さらに最近「クムの特価品?!」として出回っており、百貨店出入り業者も扱っているのは、「ボナブ」産のシルク絨毯で問題外の品質です。「特別奉 仕品:クムシルク2×3m 90万円」などというのがその類です。ご注意下さい。

 次に『ヘレケ』
 「ヘレケは」トルコにある地区です。
 イスタンブールの東方およそ50km、オスマン・トルコ帝国の宮廷工房の伝統を受け継ぐヘレケ。世界で最も高度な技術を駆使した緻密なシルク絨毯は、コレクターの憧れの的となっています。

 2階会場右壁面には、入口側から『キルマン』

 「キルマン」はイランにある地区です。
 優れた芸術的仕事で有名な産地。ショール織りの産地として栄え、その意匠を絨毯に生かし、美しく手の込んだ花の模様を図案化した製品が多いことで知られています。

 「キルマン」のとなりには『ザンジャン』
 「ザンジャン」はイランにある地区です。
 テヘランとタブリーズの間に位置する町で、シルク絨毯を織っています。品質は年々良くなり、20~15年位前のコム以上の品質のシルク絨毯を織っています。

 「ザンジャン」のとなりには『イスファハン』
 「イスファハン」はイランにある地区です。
 16世紀末、ペルシャ文化の黄金時代を築いたアッパース1世が、この街を新しい帝都と定め、壮大な建築物で飾りました。芸術の都にふさわしく、端正なフォルムと洗練された色使いが特徴です。

 このようにイランには、町や村の数だけ産地があると言って良い程です。高価な絨毯のコピー商品を織る産地もあります。よほど絨毯に対する目利きができないと品質の落ちる絨毯を高価で購入するなんてことになります。特に現地で購入する際はご注意下さい。たまにお客様宅でイラン近郊に旅行に出かけられた際に現地で購入された高価な絨毯を見ることがありますが、中には「えっ!」と思ってしまう仕上がりの絨毯もあり、ご購入価格を聞くと「えっ!ええっっ!」と品質のわりに高すぎる場合があります。現地の商人のほうが、日本人よりもはるかに商売上手でしたたかです。

 それよりも信頼できる日本で購入された方がよほど安心です。

 安田屋家具店で開催中の「伝統・匠の芸術逸品展」~ペルシャ・トルコ 美術絨毯特別展~は、いよいよ明日の12日(月曜)が最終日です。朝10時~夜7時まで開催しています。ぜひお気軽にご来場下さい。

明日までの開催です。

12月 11, 2011 · Posted in 伝統・匠の芸術逸品展  
    

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