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椅子の構造上の欠陥

20年ほど前に納品させていただいた飲食店の椅子修理がありました。

安田屋家具店から車で約2時間。
愛知県弥富市にあるとってもおしゃれなカフェです。

以前にも修理したのですが、その時に修理しなかった椅子の不具合です。原因は構造的な欠陥です。デザイン重視で耐久性をなくした結果です。椅子は「アントステラ」というアメリカンカントリーデザインの輸入商品です。輸入元は家具専門店ではありませんので、構造的な欠陥はあまり考えないのかもしれません。

座面はペーパーコード1本編みです。
座面サイズは、幅420、奥行360㎜です。

消耗部分ですので、切れたりするのは仕方がありません。この部分はちゃんと張替えができますので問題ありません。ちなみにペーパーコード1本編みの張替費用は、税込22,000円(送料別途)前後です。サイズによって多少修理金額が上下しますことをご了承下さい。

問題なのは椅子座面下の構造です。

木部本体フレームは無垢材を使用ししっかりと仕上げてあります。20年経過しても接合部分の緩みはありません。耐久性はバッチリです。問題なのは・・・・・、

座面下の前後部分です。
左右には座板をのせる棒があるのですが、前後には「貫(ヌキ)」棒がありません。つまり座板は左右の棒の上に乗っかっているだけで、前後に対しては宙に浮いている状態です。

さらに座面枠はペーパーコードを編むために中央部分は空洞になっています。つまり体重を支える座板は5cmほどの幅のロ型になっています。そしてそれを支える前後の「貫(ヌキ)」棒がないために、座るたびに座板全部は弓なりにたわみます。使い続けていくうちに、体重を支えきれなくなり5cm幅の前部の幅板が折れてしまいます。

前回のご修理では、座板の下に厚み9ミリの合板板を取り付け、その上に現在のペーパーコード編みの座板を取り付ける方法でした。修理費用も安価にできますし、折れてしまった座板でも合板の上にのせるわけですから問題なく使用できます。

以前、輸入元に問い合わせると「座面の取替え」との返事がありました。座板の価格もかなりの金額でした。ペーパーコード編みが切れているわけではありませんので、お客様も座板を交換するよりも安価な修理法方でとのご要望でしたので、合板を取り付ける方法で対処いたしました。

その修理から10年程が経過した先日、以前修理しなかった椅子の座面がやはり同じように折れてしまったとの連絡が入ったのでした。弥富市方面の配達時に椅子を引き取ってきました。

すると以前合板を取り付けて修理した椅子も、合板がたわんでいるものがありました。9ミリ厚の合板でも、下に支える「貫(ヌキ)」棒がないとやはり体重を支えきれずたわみ、使い続けているとそのたわみ続けることが原因で合板の貼り合わせ部分がはがれてしまい、耐久性がガクッと落ちるようです。

そのため今回のご修理は、座面下の前部に1本「貫(ヌキ)」棒を取り付けることとしました。見た目のデザインが多少変わりますが、耐久性アップには替えられません。写真の赤い部分が「貫(ヌキ)」棒が新しく取り付ける「貫(ヌキ)」棒です。黄色い部分は9ミリ厚の合板です。

取り付けた上に、9ミリ厚の合板を取り付け、その上に現在のペーパーコード編みの座板を取り付けます。こうすれば耐久性能はバッチリです。使用頻度の高い業務用の椅子としても十分に使用できます。修理が完了しましたら、どんな感じになるかまたご報告します。ちなみにこの修理法方で、1脚6,000円(送料別途)です。

尚、「アントステラ」のHPを見ましたが、現在この椅子は取り扱っていないようです。構造的欠陥による座板修理クレームが多かったのか、構造的欠陥を直さずに取り扱いを止めたのか、定かではありませんが・・・。

椅子をご購入されるときは、見た目のデザインも大切ですが、さらに構造的に大丈夫なのかを確かめましょう。確かめるのは簡単です。椅子を見てみて、これに座ったら体重をちゃんと支えるようになっているかなと見ることです。ちょっとでも気になる部分があったら、その部分は構造的に弱いのかもしれませんよ。

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6月 2, 2012 · Posted in 椅子張替え  
    

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