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道具道楽1

安田屋家具店の隠れたヒット商品となりつつある「パタパタ扉下駄箱」

3年前にお客様から「レトロな雰囲気の下駄箱が欲しい」とご相談を受けたのがきっかけでした。レトロっぽい雰囲気、アンティークな雰囲気・・・・・???

あっそうだ!

四代目が閃いたのは、子供のころや大学生の時にアパートや下宿先でよく見かけた扉を上に持ち上げる形式の下駄箱。「バッタリ扉」とか「パタパタ扉」と呼んでいました。これだと思い、図面を書いてお客様にご提案したところ、イメージにピッタリと採用されたのでした。

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そして桐たんす職人「柴山五郎」氏に製作を依頼したのでした。 岐阜県山県市美山の杉無垢板を使用し、総桐たんすと同じ木釘を使って製作し、植物性オイルを塗って仕上げた、安心・安全な家具が誕生したのでした。

安田屋家具店ホームページで「パタパタ扉下駄箱」を紹介したところ、全国から問い合わせ、ご注文が入るようになりました。そして四代目はこの「パタパタ扉下駄箱」のさらなるバージョンアップを考えたのでした。

杉無垢板を使用しているので、家具表面を浮造(うづくり) 仕上げにしてみてはと考えたのです。

浮造(うづくり) とは、刈萱(かるかや)の草の根を水にさらした後、干して麻紐で束ねた道具を使って、木の板・柱などの柔らかい部分(春目:はるめ)を磨きながら削ぎ落として木目を浮き上がらせ、木材の見た目を美しくする仕上げ方法です。浮造仕上げといいます。浮造仕上げの無垢板は、木目が強調され凹凸が目立つようになるのです。

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刈萱(かるかや)を使って行うには大変な労力が必要となります。どうしようかと悩んでいたところ、人力と同じ仕上げが今では電動で出来るようになったことを知ったのでした。

「ホイールサンダー」という電動工具でした。1台約6万円もする高価なものです。直ぐに購入するにはためらってしまう価格です。どうしようかなぁーー。

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実際に「ホイールサンダー」を使った浮造(うづくり) 仕上げが「パタパタ扉下駄箱」にどんな表情をもたらすのかがわからないので、誰か持っていないか知り合いの職人や大工さんに聞いてみたのですが、誰も「ホイールサンダー」を持っていませんでした。

思い立ったら居ても立ってもいられない性格の四代目。「ホイールサンダー」を購入しようか、やめようかと悩む日々が続くのでした。

総桐たんす職人「柴山五郎」氏は「そんな道具買わないで、昔どおりに刈萱(かるかや)でやればよし」と言いますし、どうしようかなぁーー。1台6万円だもんなぁーー。どうしようかなぁーー。悩む日が続きます。

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4月 7, 2015 · Posted in オーダー家具  
    

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