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続メーカー不明のスライド蝶番

先日スライド丁番金具についてお問い合わせがあった箕面市のI様より、スライド丁番金具の現物が安田屋家具店に届いたので確認した。

スライド丁番金具ですが、同じ金具は残念ながら現存していませんでしたが、他工場の金具で代替できますのでのでご安心ください。丁番の種類は「全カブセ」タイプです。

金具は1個税込み500円です。ネジが6本付属します。送料が別途必要となります。

扉側に取付ける部分のネジ位置は同じですが、家具本体側に取付ける受座金具のネジ位置が多少ずれます。これはスライド金具と受座金具を接合させる仕組みが若干違うからです。

扉にあいている穴にはめ入れる金具円型部分のネジ穴位置はほぼ同じ位置です。穴の大きさ、深さも同じなので簡単に取り換えられます。

また破損したスライド丁番金具はミニタイプのため、現存する代替金具は「キャッチ付き」金具のみとなりますのでご了承ください。破損金具は「キャッチ無し」金具です。

スライド丁番のキャッチ付き金具はバネが入っていて、扉が閉まりきる直前から自動的に閉める力が働き、ぱたんと閉まります。閉まった状態を保持しますので、扉が少し開いていてだらしなく見える状態をなくすことができます。また、マグネットキャッチなどを使用しなくても良いので、収納部に出っ張りをなくすことができます。

ちなみに破損金具のキャッチ無し金具は、バネが入っていないので、途中からパタンと自動的に閉まることはありません。

代替金具を取り換える場合、家具本体側に取付ける受座金具の位置が、現在の位置と異なる場所となりますので、簡単に取り換えられる作業手順をお知らせします。

まず破損していない古い金具を使用して扉を家具に取り付いた状態にします。古い金具であれば現在のネジ穴をそのまま使用できますので簡単に扉を取り付けることができます。

家具に扉が取り付いた状態にしましたら、扉を開けた状態にして扉最下部のスライド丁番を取外します。まず扉側に取り付いている部分の2個所のネジを外します。

次に家具本体側に取り付いている4箇所のネジを外します。その後、家具本体側の金具部分を持ち上げて、折れた部分を持って扉の穴にはめ込んである金具の円形部分を取外します。これで古い金具を扉から取外した状態となります。

次に古い金具を取外したら、新しい金具を用意します。金具は扉側に取り付ける部分と家具本体側に取り付ける受座部分をすでにセットしてお送りしてあります。

扉にあいている穴に新しい金具をはめ込みます。ネジはまだ止めません。次に家具本体側に金具を押し付けた状態にして、受座の2個所のネジを止めます。

ネジ穴位置のずれがわずかしかない場合は、上記で説明したように同梱の丸棒で古いネジ穴を埋めておくと良いです。

家具本体側の受座金具をネジで固定したら、扉側の金具のネジを止めます。これで新しい金具との取替えが終了します。このように家具に扉が取り付いた状態で金具を取り替えれば、扉の建て付けを考える必要がなく、現在の開閉と同じ状態の位置に扉を取り付けることができます。

同じ作業を、残りの金具、最後に最上段の金具の順番に行い、全ての金具を取り替えれば修理完了です。扉の開け閉めを行い、スムーズに開閉できるか確認します。

扉がねじっていたりして、スムーズに開閉できない場合は、同梱する説明書の扉調整方法で微調整を行います。家具本体側の金具の真ん中にある2個所のネジで調整します。

I様のお役に立つことができましたなら光栄です。

I様からご連絡
スライド丁番の調査して頂き、また、ご丁寧にも、取付の説明までご記載して頂き、ほんとうに恐縮です、ありがとうございます。

破損した丁番について、インターネットを検索している内に、偶然にも安田屋家具店様を見つける事ができました事は、ラッキーだったと思っております。助けて頂き、ほんとうに感謝です。ありがとうございました。

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7月 8, 2017 · Posted in 家具金物(扉用アングル丁番etc)  
    

Comments

4 Responses to “続メーカー不明のスライド蝶番”

  1. たまお on 11月 9th, 2022 6:46 PM

    スライド丁番について教えてください。
    キャッチ付きのスライド丁番です。
    扉の欠き込みに入れる金具と丁番をつなぐU型のピンが折れてしまいました。
    処分する予定の家具のスライド丁番からU型のピンを外し利用しようと試みました。
    ピンが差しにくかったため、ばねでテンションのかかった外側のプレートを起こすと、「カチン」という音と共にキャッチ機能が働かなくなりました。
    ピンで欠き込み側の金具と接続してみたところ、キャッチ機能はやはり働かず、扉を閉めても締まりきらなくなりました。
    恐らくプレートに引っかかっていたバネが外れたため?だと思います。
    ばねを固定しているピンは外すことができない仕様になっています。
    これはスライド丁番を買い替えないと駄目でしょうか?
    宜しくお願い致します。

  2. 四代目 on 1月 15th, 2023 2:43 PM

    状況から判断すると、スライド丁番金具そのものを新しい金具に取替える必要があります。
    折れたバネ部品を差し替えることは、構造的にできないと考えます。

  3. katoh on 10月 6th, 2024 3:29 PM

    シンクの下の扉がスライド蝶番で取付られていますが、高さが左右の扉で差異があることと、扉ご完全には閉じずに少し浮いた状態になっています
    その為調整を試みましたが、うまく調整できません
    蝶番自体が相当古い(30年程度前)ので、ネットで検索しても同じ蝶番は出てきません
    この場合は新しい蝶番に交換した方がいいでしょうか

  4. 四代目 on 10月 6th, 2024 4:40 PM

    この度は数ある同業者の中より安田屋家具店にお問合せ賜り誠にありがとうございます。
    梁次幼な状況のスライド丁番事例では、経年劣化による丁番本体の接合部の緩みなどで下方に下がってしまう状態の金具を多くみます。その場合、通常の丁番調整ネジによる傾きなどの調整を行ってもうまくいかないケーズがほとんどです。
    30年の使用年数を考えると、新しい丁番に取替えられれば、新品同様な状態に戻る場合がほとんどです。今回も新しい丁番に取替えられることをお勧めします。
    30年経過しているのでまったく同じ金具は現存していないと考えますが、スライド丁番であれば代替金具がありますので取り換え可能です。
    お役に立つ情報であれば幸いです。

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