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イサムノグチ コーヒーテーブル

K様より「イサムノグチ」デザインのコーヒーテーブルの木製脚修理に関してのお問い合わせがあった。

K様より
イサムノグチのコーヒーテーブルですが、木製の脚2本を接合している個所が破損しました。床に設置する左脚の底面から六角ボルトを差し込み、ガラス天板を設置する右脚との接合部にあ穴に差し込んで、六角レンチで締め付け接合する仕組みになっています。

この木製脚に無理な力を加えたためボルトが曲がってしまいました。

また右脚部分の接合部の穴が欠けてしまいました。修理可能でしょうか。

安田屋家具店からの返信

修理箇所の写真を確認しました。
右天板側の穴部分には本来「鬼目ナット」がねじ込んであったのですが、六角ボルト側に接合したまま取れてしまっています。ボルトの下部に「鬼目ナット」が付いているのが確認できます。

恐らくボルトを外すときに一緒に「鬼目ナット」も木部穴から逆回転して抜けたことが原因です。

それにしても六角ボルトはかなり長いボルトなんでしょうか。左床脚の下部から23cmほどの部分が左足と右脚が接合する部分となるので、ボルトが長いか、穴が長く彫られているかのどちらかでないと六角ボルトが締められません。

ただ穴があまり長いと六角ボルトを締めるための長さの長い工具が無いかと思いますので、どうやって締め付けるのか不思議な構造です。

過去に確認した時には、今回のようなボルトで締め付ける方法ではなく、脚と脚の接合部に両脚とも穴が彫られていて、そこに長い金属棒を差し込んで接合する単純な構造でした。今回のケースは初めて見る方法です。

修理方法としては、ねじ曲がった六角ボルトを取り除かなければなりません。そのためには曲がった部分を真直ぐに戻せるかが需要となります。真直ぐに戻せれば「鬼目ナット」をペンチで固定したまま、六角レンジでボルトを回して取り外せるのではないかと考えます。

もし六角ボルトを真直ぐに戻せない場合は、鬼目ナットの際付近で金ノコで切断してから「鬼目ナット」をペンチで固定したまま、六角レンジでボルトを回して取り外せるのではないかと考えます。

六角ボルト、鬼目ナットが取り外せたら、右脚にあいている穴を埋木して埋めます。周りの欠損部分はパテ埋めを行います。

穴を木で埋めてからドリルで下穴をあけて、新しい鬼目ナットをネジ入れます。その後、穴の付近のみを部分塗装を行います。場合によっては2本の脚全体を再塗装する必要があるかもしれません。

必要な長さの新しい六角ボルトを用意します。右脚と左脚の接合を試してみて、問題なければ修理完了です。

修理が可能か、不可能化は曲った六角ボルトが取り外せるかどうかにかかっています。これは実際にやってみないとわかりません。

そのため費用も現時点では算出できませんが、最低でも2万円~となるのではないかと思います。往復の送料が別途必要です。

送料、修理費を考えると、ジェネリック家具であれば同様のテーブルが29,800万円~36,800円程度で販売されていますので、修理するか買い替えるかは難しい選択となりますが、ジェネリック家具で買替をするのであれば金額的には修理より買い替えられることをお勧めします。

ちなみにハーマンミラー社の正規品ですと243,000円ですので、この場合は修理費用の方が格段に安価となりますので、修理をお勧めします。

尚、お客様自身で六角ネジが取り外せたなら、上記内容の修理方法以外に安価な方法があります。

右脚、左脚にあいている穴の直径と同じ丸棒またはダボ木を用意して、それを両脚の穴に叩き入れれば、接合ができます。ガラス天板をのせれば重みで脚がさらに安定しますので通常使用には十分対応できます。右脚の穴の欠損部分は接合時にほぼ見えない部分となりますので、若干の補色をすれば問題ないと思います。

ご検討賜り、不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。

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9月 27, 2018 · Posted in テーブル修理  
    

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