四国・高松は、漆工芸の産地でもあります。
象谷塗(ぞうこくぬり)、後藤塗(ごとうぬり)、蒟醬(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)という多くの技法を持つ漆芸王国です。
そんな高松から象谷塗の商品が入荷してきました。
安田屋家具店が高松の漆器を扱うのは、高松が家具産地であり、家具展示仕入れ会に赴く時に一緒に購入できるからです。家具と漆器、木地を使用することでは同じ部分があります。さらに高松は座卓の産地でもあり今も継続していますが、各工場とも時代の流れとともに製作する商品も変化していっています。
今回の仕入先は昔からお世話になっている漆器屋さんです。
久しぶりのお取引となってしまいました。
巷に出ている商品よりも良いものが欲しいと思い連絡をしたところ、「昨今ではそんな手の込んだいい商品は出ませんよ」と言われてしまいました。しかし巷に出ているものと同じものを扱っていてはダメですので、昔のように手の込んだ、通常よりも3工程も5工程も多くした良い商品を作って欲しいと頼み込みました。すると漆器屋さんから「ちょっと替わります」と言われ、電話口に出たのがなんと安田屋家具店がながぁーーく取引している座卓屋さんの社長でした。「安田屋さん、最近注文がないねぇー」と言われてしまいました。さらに続けて「漆器屋さん困らしたらいけんよ、まっ私からも頼んでみるけど」と言ってくれました。この漆器屋さんと座卓屋さんの社長は仲の良い友達だそうです。そんなこんなで入荷してきた商品です。
今回は「象谷塗」の銘々皿と茶托と尺盆の3種類です。
その中で今日は尺盆をご紹介します。
サイズは直径330㎜、厚み15㎜のお盆です。
真横から見ると・・・・・、
裏面もきちんと象谷塗を施してあります。
化粧箱に入れてお届けしますので、ご贈答用としてもご利用いただけます。
当店ではよくご婚礼の引き出物や、内祝いの御品としてお客様にご利用いただいています。
「象谷塗」
漆を数回重ね塗りをして、その上に川や池に群生している真菰(まこも)の稈の中に入っている粉末を漆の上に撒く塗り仕法です。使っていると、歳月とともに渋味を増し、象谷塗独特の陰影が色調にでてくるという技法です。蒟醬(きんま)、存清(ぞんせい)とともに古くから香川に伝わる漆塗手法で、創案者【 玉楮象谷 (たまかじぞうこく) 】氏の名前をとり「象谷塗」と呼ばれています。
製造工程
〈 木地造り 〉 原木→製材→乾燥→木取り→荒型→乾燥→仕上げ→木地彫刻→木地完成
〈 象谷塗 〉 木地→木地磨き→着色→刻苧→刻苧研ぎ→磨き→木地固め→磨き→摺込み→菰付け→艶付け→すり漆→艶付け
漆塗りの回数が増えれば増えるだけより良い商品となります。
商品名/ 象谷塗 尺一盆
サイズ/ 直径330㎜、厚み15㎜
材質/ 栃材・本漆
生産地/ 日本・高松
税込特別価格/9,000円
この商品は完売しました。