O様から丁番のお問い合わせがありました。
O様からのお問合せ
30年以上も前の家具です。丁番にガタがきて締まりが幾分悪くなっています。取り換えは自分でできると思いますので、丁番が入手できればよいかな。と考えています。扉側の厚みは20㎜、躯体の板の厚みは24㎜、直径は33㎜です。よろしくお願いします。
安田屋家具店からの返信
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お送りいただいた写真からでは金具のサイズが分かりませんので、添付しましたサイズ写真の(A)扉側の長さと(B)家具本体側の長さをお知らせ下さい。
扉側の厚みが20㎜、躯体の板の厚みが24㎜であれば、(A)が20mm、(B)が24mmだと思います。違っていたらサイズをお知らせください。
そうであれば金具サイズは「20-24」となります。このサイズは残念ながら代替金具も含めて現存していません。
破損した金具は大きくて重い扉に使用されました。金具の微調整ができず、また耐久性も低かったです。そのためその後登場したスライド丁番が主流となると、この金具の生産は無くなりました。同時に在庫も現存しなくなりました。
またあまり多く使用されていた金具サイズではないため、代替用の金具を生産することもありませんでした。そのため現在では、代替金具も含めて現存していない金具となります。
「24-20」サイズは現存しているのですが、どういうわけか「20-24」サイズは現存していないのです。恐らく当時使用されていた数量の違いだと思われます。多く使用されていた丁番はその後の取り換え需要も多いことから、代替金具が生産されるものの、少量しか使用されていなかった丁番は取り換え需要が少ないことから代替金具も生産されないのではないかと考えます。
さて金具が現存していない場合の修理方法は、現在主流のスライド丁番金具に取り替えることによって修理が可能となります。
ただ「アングル丁番金具」から「スライド丁番金具」に取り替えるという方法は、扉の丁番金具を全て取り替える必要と、扉に金具を取り付けるために彫り込んで あるカップの大きさが違いますので、彫り直しをしなくてはなりません。
またどのタイプのスライド丁番金具を使用するか取付方法についても専門的な知識と技術が必要になります。お客様自身での取替えは難しいので、そこはプロに任せた方が修理費用は安価で、確実に修理できるのでお勧めします。
そのためには、ご自宅界隈の昔から続いている小規模な家具店、もしくは家具修理専門店にご相談され るとよろしいかと思います。アングル丁番金具をスライド丁番金具に取り替える修理内容はそれほど難しいものではありませんので、当店でもよく行なう修理方法です。
ただし今主流のインテリアショップでは修理不可能ですが、昔から続いている街の家具屋さんであれば、当然修理方法は知っておりますので、ご相談されれば「アングル丁番金具」を「スライド丁番金具」に取り替 えることはできるものと思います。
ご参考になれば幸いです。
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