昨年12月に桐小引たんすをお預かりしました。

このたんすは下台、中台のいずれかだと思います。本来であれば下台+中台+上台の3本を組み合わせて1竿の桐たんすのはずです。その中でこの部分だけが残ったのだと思います。現在ではローボード、テレビ台として使用できる大きさです。

引出し前板の一部が欠損していました。
桐材で埋木して補修します。

修理方法ですが、金具を全て取り外した後、お湯と亀の子たわしでたんすを洗います。お湯を使用するのは、桐たんすは防水のために表面に「蝋(ロウ)」が塗ってあるからです。水でははじいてしまうため、お湯で洗い落とすのです。

洗った後乾燥させます。
その後、表面を削り、欠損していたり割れている木部を補修します。取り外した金具はサビを落とし、黒色に塗装を行います。

このたんすは本来、桐たんす仕上げである「トノ粉仕上げ」が施してあり、ナチュラル色というか桐たんす色でした。それが年数の経過とともに表面のトノ粉が落ち、桐のあくが出て、茶色に変色しています。

今回の仕上げ方としてもともとの桐たんす仕上げである「トノ粉仕上げ」を行うか、または現在の茶色に塗装仕上げをするかの2方法をお客様にお伝えしたところ、お部屋のインテリアを考えて、現在の変色した茶色に塗装仕上げを施すことになりました。塗装はウレタン塗装を行います。そのためたんす表面は水拭きができます。

そして洗濯修理が完了しました。

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5月 14, 2020 · Posted in 桐たんす洗濯  
    

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