K様から有名な椅子「チエスカチェアー」の座面籐シート張替相談がありました。昨年末から籐シート張替のご相談が増えています。張替をする職人が少ないからでしょうか。
大阪のK様からのお問合せ
座る面がひとマス破れてる状態です。 修理は可能でしょうか? 張り替え修理になりますか? また修理できれば送料込みでおいくらになりますか??大阪です。
安田屋家具店からの返信
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籐シートが切れた場合、部分修理はできませんので、籐シートの張替修理となります。
籐材は年数が経過すると固くなり粘り気がなくなりますので、切れやすくなります。特に座面シートは座った時に体重がかかり、座面面積も広いため籐シートが下方に伸びて、粘り気が無くなった籐材がパキッと折れ、そこから破損が広まっていきます。
少しでも籐材が切れた場合、接着剤で補強して貼り付けても座った時の荷重に耐えられませんので直ぐに破れ部分が広まっていきます。
一方、背面は荷重がほとんどかからないので、破れる比率は少ないです。チェスカチェアーの場合、当店の実績でも座面の張替のみが多く、背面の張替えはほとんど行われていません。
背面も座面も籐シートは消耗品のため張替ができるような構造となっています。
使用する籐材は現在と同じ「五分カゴメ編み」籐シート材を使用します。天然素材です。無着色・無塗装の生地仕上げとなります。張替直後の籐シートの色は、以前よりもかなり白っぽい色となります。年数の経過とともに現在と同じアメ色に変化していき、最終的には現在と同じ色となります。
座面のみ張り替えた場合、張替当初は張り替えない背面と色の違いが大きくでますが、年数経過により同じ色になっていきますのでご了承下さい。
張替費用ですが、座面シートのみの張替費用は1脚税込16,000円です。ご自宅から当店、当店からご自宅までの往復の送料が別途必要です。椅子本体から座面枠のみを取外し発送すれば送料は片道700円程度です。
ちなみに背面・座面の両方を張替えた場合は、1脚税込27,000円となります。
チェスカチェアーの座面面積は大きいので、座面裏に籐皮を撚った籐バンドを使用して十文字に取付ける「十文字補強」を別途
取付けることをお勧めします。
「十文字補器用」を入れると籐バンドが座った時の荷重を支えるので、籐シートが下方に荷重で引っ張られることを抑えるため、耐久性が補強材が無いよりも格段に高くなります。補強材を付けると強度が取付無い場合の2倍となります。 補強バンドはほとんど目立ちません。
十文字補強は税込み5,000円です。
座面シートのみ張替+十文字補強の合計金額は、税込21,00円です。往復の送料が別途必要です。
十文字補強が無くても特に問題はありませんが、より耐久性を高めるためにはご検討ください。修理期間はお預かり後約10日から2週間です。
チェスカチェアは、ほんものの椅子の場合ー、10万円以上しますし、ジェネリック家具の場合でも5万円以上となりますので、張替の方が安価となります。さらにご使用された中で様々な想い出のキズは、何物にも代えられないものです。ぜひ張替をお勧めします。
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