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パリ「蚤の市」の椅子

先日お預かりした古い古い曲木椅子の座面に張られている籐シート材の張替が完了しました。

お預かりした椅子は、36年前にパリのクリニャンクール蚤の市で購入された椅子でした。何とか船便で日本に送った記憶が蘇ったとのことです。 19世紀末から20世紀初めのパリの一番よい時代の カフェでたくさんのパリジャン、パリジェンヌに 奉仕したことでしょう。

張替後

張替えたばかりの籐シートは無着色・無塗装の生地仕上げのため白っぽい色です。年数が経過するごとにアメ色に変化していきます。張替前の色は、100年程の時が流れての色です。これから大切にご使用になられれば、100年後には張替前と同じような色になることでしょう。

 
             張替前

座面裏に取付けた十文字補強は、座面表面からは見えません。

座面裏側を確認すると、籐皮を撚った籐バンドが十文字に取付けてあります。このバンドが座った時の荷重を受けとめ、籐シート材への負担を軽減させるのです。

元々の張り方は手編み仕上げでした。その証拠に椅子木枠には籐を差し込んで編み上げていくための穴が点々とあいています。

座面表面側の点々とあいている穴に沿って溝を彫り、その溝に籐シート材と籐丸芯材をたたき込んで張っていきます。この方法を「溝決め込み仕上げ」と言います。現在の椅子のほぼ全てがこの「溝決め込み仕上げ」となっています。安価で、熟練した職人でなくても張り作業ができるからです。

緩んでいた背棒を止めるネジをしっかりと固定します。昔のビスは六角形ではなく、四角形なんですね。

背棒取付けのビスもしっかりと固定させます。昔のネジ頭は-ネジがほとんどなので締めにくかった。

さあ、梱包してお客様宅へ発送です。

今回の修理費用の内訳は下記の通りです。
座面籐シート張替 税込23,000円
(溝彫・決め込み仕上加工含)
座面十文字補強  税込5,000円
送料       税込2,000円
———————————————-
お支払合計金額 30,000円

この修理金額では、籐シート座面の曲木椅子は新しく購入できないので修理された方が断然お得です。今回のような座面籐シートの張替をお考えの場合、ぜひ安田屋家具店にご相談ください。椅子の写真と張替える部分のサイズをお知らせください。無料で見積いたします。お気軽にどうぞ。

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6月 30, 2021 · Posted in 椅子張替え  
    

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