古いミシン台のご修理をご相談いただきました。
現在90歳のお母様がお嫁入り道具として持参され、以来ずっと使用され続けてこられたミシンだそうです。当時としてはとても珍しい輸入ミシンで、それはそれは高価なものだったそうです。お母様が大切なミシンなので修理したいとのことで、ミシン機械本体は神戸にただ一店ある修理専門店にすでに出されたそうです。木部本体もリフォームしたいとお嬢様が考えられ、数多くある同業者の中より安田屋家具店にご相談・ご依頼されたのです。
お預かり前の写真を撮り忘れてしまいましたので、塗り直し後の写真をご覧ください。塗り直し前後の比較ができないのですが、長年の仕様による傷や突板めくれなどが多々あり、とてもひどい状態でした。今回の塗り直し修理に関しては、状態がとてもひどいので完璧に直したいので静岡に工房がある英国アンティーク家具のリフォーム補修を専門に行っている職人集団にお願いしました。静岡はご存知の通り家具産地の一つで、多くの家具職人がいます。そして定年により退職した高齢の熟練家具職人がいます。なので補修程度によって臨機応変に対処できます。また補修価格もお値打ちにできるんです。
時代を感じさせます。
ミシンを収納し扉を全て閉じた状態です。英国アンティークサイドボードではありません。脚踏みミシンなんです。
側面です。
後面です。
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天面です。
この中にミシン機械が格納されます。
天面を広げた状態
扉全開
中央の扉を開けると脚踏み部分が格納されています。ミシンを使用する時はこの扉を開いて使用します。左の小扉は引出し。右の小扉には脚踏み機とミシン本体を連動させる機械が格納されています。ここまで全開するとミシンだと思えます。
今回の塗り直し修理で職人は粋な仕事をしてくれました。私達も知らなかったサプライズがありました。
中央の右扉の裏面に・・・・・、
落書きの跡が残っています
発見した娘さんが「これは私が小学生の頃に書いた落書きだぁー」
「安田屋家具店さん、わざと残してくれたんですかぁー、ありがとうございます」
そう言われてしまったので、ついつい「はい、そうなんです。こういうのを残すところに価値があるんですよ」・・・、なんてね。粋な心の職人さんに感謝感謝です。でもこういうのが残っている家具っていいもんですよね。いやいやこういう風に残っていく家具っていいもんですね。安田屋家具店は、このような家具をこれからも取り扱っていこうと考えています。記念にお客様宅で設置したところをパチリ!!
今日からまた何十年と新しい家族の想い出を刻みつつ、大切な宝物として使い続けられていくことでしょう。
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