京都市のU様より、スライド書棚の扉に使用されているアングル丁番金具の耐久性についてお問い合わせがあった。
本日、20年近く前に購入した、大型スライド式本棚の「ガラス付きスライド棚の扉」の片側(右側)の蝶番が突然、破断しました。
「RABBIT」という刻印があり、ネットを検索したところ「RABBIT社製のアングル蝶番」がヒットし、安田屋家具店での取り扱いがあること知り、この度注文させていただきました。
さて、少しご相談なのですが、もう片側のガラス付きスライド棚(左側)の蝶番は今のところ、無事のようなのですが、この蝶番の耐用年数というのは、どれくらいのものなのでしょうか?
大きな衝撃を与えた覚えもなく、本日まで使用していたものが突然破断したため、困惑しています。様子を見て、また、「事が起こってから」注文させていただいた方が、よろしいでしょうか。妙な問い合わせで申し訳ございません。お時間に余裕がございましたら、メールにて、ご回答いただければ幸いです。
安田屋家具店からの返信
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アングル丁番金具の耐久年数ですが、使用頻度によって異なりますので一概に耐久年数が何年と言えません。
破損して交換されるお客様の多くは、15年~25年程の使用期間で破損した場合が多いです。
破損したアングル丁番金具は微調整ができないため、家具の建付けが少しでもねじれていると扉の建付けに影響し、丁番金具に無理な力が加わり、扉の開閉時に少しずつ金具の合わせ目が削られていき、ある日突然破損するようです。
破損した金具を確認するとほぼすべての金具の合わせ目が削れています。
このようにアングル丁番金具は微調整ができないため、家具に使用されることが少なくなり、その後登場した「スライド丁番金具」がほぼすべての家具に採用されるようになりました。
現在ではスライド丁番金具が主流となりアングル丁番金具を使用した家具は無くなりました。当店で取り扱っているアングル丁番金具も、破損して取り換え修理のために生産している状況です。
お問合わせの現在破損していない他の扉の金具についてですが、今のところ直ぐに生産中止になることはありません。そのため他の扉も今回と同様に金具が破損してから金具をご用意されることで良いと思います。
ただRABBIT刻印金具については、いずれ生産中止になることが考えられますが、同じ金型を使用してノーブランド品で他工場が生産継続することも現状他の金具サイズではありますので、早期に金具が無くなることはないと考えます。
ただ将来的アングル丁番金具の生産は無くなる傾向が強いとは考えます。U様のお役に立つ情報であれば幸いです。
その後RABBIT刻印の丁番「20-20GB色」のご注文があった。そしてその1か月後・・・・、
U様から追伸
昨年、12月10日に同じ金具を注文させていただきました、Uと申します。本日、案の定といいますか、もう反対側のガラス扉の丁番に、うっかり軽く肩をぶつけてしまったところ、みごとに破断しました。
本棚の配置が部屋のパーティション代わりになっているのが悪いのだと思います。(つまり導線が悪い)
それにしても、先のメールのお返事で、見事な金具の劣化・破断の予測をして頂いていたのだなと思いました。もうこれが最後だと思って、キッチリなおしてやりたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして追加金具を発送する四代目でした。また一つ粗大ごみになってしまう家具を救出することができた。
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