先日お預かりした飛騨・高山の工場で製作された名作椅子であり、ロングセラー商品でもあるロッキングチェア「C63」の修理に関してご案内いたします。
今回の修理内容は、向かって右の「ソリ脚」がポキッと折れたことによる「ソリ脚」部品取り換え修理。そして座面板に割れが生じていることから、座面板再接着修理の二つとなります。
まず今回お預かりしたC63ロッキングチェアーは現在も製作されていますので、折れてしまった「ソリ脚」部品もあります。「ソリ脚」部品1本は9,600円(税抜き)です。
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次に割れてしまった座板の再接着修理費用は、13,500円(税抜き)です。
割れてしまった部分のみを再接着するのではなく、まだ割れていない接合箇所も一度バラバラに強制的に割ってから再接着する完全修理となります。(下記の写真は食堂椅子の場合です)
再接着後に再接合部の目地違い(段差)を無くすために座面板表面を削ります。その後再塗装仕上げを行い、座面裏側に補助板を2本取り付け座面板再接着修理を仕上げます。
「ソリ脚」部品取り換え、座面板再接着修理をするには、ロッキングチェアーを一度バラバラに分解する必要があります。その理由は、折れてしまった「ソリ脚」を取り外す際に強制的にたたいて取り外さなければなりません。
その時に他の接合箇所(脚と座板の接合箇所や貫棒の接合箇所など)から部材が抜けてしまったり、接合が緩んでしまいます。そのため一度全ての接合箇所から部材を抜いてしまう必要があります。これを行わないと、今回修理した個所以外の割れやガタツキ、接合部の緩みが直ぐに生じてしまい、再修理となってしまいます。
再修理となれば追加費用が当然掛かってしまいますのでお客様に迷惑が掛かります。そんなことにならないように完全修理を行うわけです。
一度バラバラにした部品を再度組み直す施工費が別途必要となります。組直し修理費用は13,500円(税抜き)です。
したがいまして今回の修理費用総額は下記の通りです。本来であれば修理工房が立地する飛騨・高山までの片道送料が必要なのですが、その分は安田屋家具店が負担します。
ソリ脚部品 9,600円(税抜き)
座割れ再接着 13,500円(税抜き)
組直し 13,500円(税抜き)
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合計金額 36,600円(税抜き)
尚、ご自宅~当店~ご自宅までの往復の運賃が別途必要となります。
現在の新品商品の価格は63,000円(税抜き)を考えると、買い替えるよりは断然安価なのですが、修理は少し検討してしまう金額となります。
ただ修理後は新品同様になりますので、買い替えることを考えるならば修理されることをお勧めします。中国産などの安価なロッキングチェアーは、アウトレット家具店のチラシを見ると1万円~2万円程度で販売していますが、まったく耐久性はありませんので「安物買いの銭失い」と言われるようにお勧めしません。
中国産などの安価な商品を購入されるのであれば、数万円ちょっとの差で修理されることを家具業界36年の四代目はお勧めします。
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