岐阜から約700キロ離れている鹿児島県から届いたロッキングチェアーの座割れ修理が完了しました。お預かりして1週間での完了です。
座割れは数枚の板で接合してある座板の1枚の両側の接合が完全に剥がれてしまい、それに伴い背棒も抜けかかっている状態でした。
修理後は、ちゃんと再接合してあります。
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他の接合板が割れるのを予防するために、座面裏2か所に補強板を取付けます。
1枚の接合板の接合箇所がはがれた場合、今回剥がれなかった他の接合部で同様の割れが生ずることも考えられるので、それを少しでも防止するために補強板を入れるのです。
補強板は椅子表面からはほぼ見えませんので、違和感はないと思います。
板座面表面を手で触れると、今回再接合した個所にわずかな段差があることがわかります。再接合修理の場合、木の伸縮もおきているため段差を無くして再接合することは不可能です。
段差を無くすには、再接合が板座表面をサンドペーパーで削って整えなければなりません。削ると当然塗装も無くなりますので、板座面の再塗装をしなければなりません。修理費用が一気に高額になるのでお勧めしません。
段差といっても座って感じるほどの段差ではありません。手で触れるとわずかに段差があることがわかる程度なので、そこまで完璧を求めなくても良いと四代目は思います。再接合修理は段差が生ずる場合があることをご理解ください。
今回の修理費用は税込み15,000円でした。
さて問題は、このロッキングチェアーをどのような方法で鹿児島県まで発送するかです。送料を安価にするには、ダンボール箱に厳重に梱包して、通常の運送便で送るしかないのですが、専用の箱はありません。
ロッキングチェアー特有のソリ脚があるので、破損の危険が一気に高まります。座割れを修理しても輸送時に他の部分が破損してしまったら何にもなりません。あっーー!、困ったぁーー!!!!!
安全性を考慮すると、お送りいただいた時と同じ方法、つまりヤマト運輸の「らくらく家財宅急便」を使用するしかありません。価格を調べるとCランクサイズになり、岐阜~鹿児島は税込み11,275円です。ほんのわずかですが安田屋家具店も負担して、お客様負担は税込み1万円とさせていただきました。
無事に鹿児島県内のご自宅に届くことを祈るばかりです。
今回のロッキングチェアー修理が、令和元年最後の仕事ですかね。
あっ、いやいや、林陽寺様の応接セット張替修理分が職人工房で行われている真っ最中だった。林陽寺様の応接セット張替のお届けが令和元年最後の仕事納めになるのでしょう。大晦日まで、まだまだ仕事です。
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ロッキングチェアの座割修理前
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