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無残な引出し 1

押入れたんすの引出し修理のお持込がありました。
材質は総桐材です。

今回のご修理は、引き出し修理の中で一番多い「前板の外れ」でした。

前板の取付方法を確認すると、引き出し側板と前板をダボで接合してあるだけでした。前板の厚みは15㎜ほどと薄っぺらい材料です。その薄っぺらい木口に、木口の厚みより数ミリ小さい直径のダボ穴をあけてありますので、その部分の強度は低くなります。また引き出しを引き出す時には、前板を前方向に引っ張るので、構造上当然ダボが抜けてしまうことが考えられます。

また価格を下げるために大量生産する場合、接合させる箇所に接着剤をたっぷりとつけません。なぜなら接着強度を高めるために、接着剤をたっぷりと付けてから接合すると、接着剤がはみ出します。そのためはみ出した接着剤を丁寧にふき取る作業工程が必要となり、人件費、作業費のアップにつながり、商品単価も高くなってしまう。そのため接着強度を重視するよりも、作業工程を省略することを重視するので、接着剤が絶対にはみ出さない少量しか接着剤を付けないのです。

今回の引き出しを確認しても、ダボの先端に申し訳ない程度にほんのちょっとだけ接着剤が付けてあるだけでした。接着面の木口にはまったく接着剤を付けたあとがありません。これでは接着剤による接着強度はほとんどありません。ダボの差込だけで前板を接合しているようなものです。衣類を収納板重量のある引き出しを前に引っ張り出していると、徐々にダボが抜けてきます。さらに年数の経過とともに室温変化・乾燥具合などによりダボが縮んでいくので、さらに前板が外れやすくなってしまうのです。

今回の修理法方は、ダボが数本折れてしまっているので、引出し側板の折れてしまっているダボ、前板の穴の中で折れてしまっているダボを丁寧に取り除きます。このとき重要なのは、ダボの穴を現在よりも大きくしないように折れて埋まっているダボを取り除くことです。穴を大きくしてしまうと、取り除いた後に再度打ち込んで入れるダボが緩々になってしまい、ダボの役目を果たさなくなるからです。ここは時間をかけて慎重に作業します。

折れたダボを取り除いた後、新しいダボを打ち込み、ダボ・木口ともに接着剤をたっぷりと付着して前板を接合します。固定治具で圧着させます。圧着後、補強材として三角の隅木を前板と側板に取り付けます。さらに引出し裏側から底板と前板を針釘を打ち付けて固定させます。これでお買い求め当時よりも強度が増した引出し修理が完了します。

今回のご修理金額は、税込4,000円(送料別途)でした。
岐阜市内のお客様でしたので送料は無料です。

引出し修理のご用命は安田屋家具店にご相談下さい。

5月 13, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

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