11月に入ってから以前購入していただいたお客様からのご用命が入ってくるようになりました。いずれも15年ほど前に安田屋家具店にてご購入いただいた飲食店や医院のお客様で、買い替えや修理のタイミングが重なる年回りとなったのでしょうか。
今回は15年ほど前にご購入いただいたバーカウンターチェアーです。長年の使用で表面の合成皮革(ビニールレザー)が破れてしまったので張替ができないかとのご相談です。椅子は業務用家具工場である「ADAL」の商品でした。センスのいいデザインの椅子を作り続けている大阪の工場です。
椅子を確認すると、表面の合成皮革(ビニールレザー)の破れよりも背面・座面ともに中身のウレタン材が経年劣化で粉になってしまい、ほぼ全て一か所に集まってしまっています。背面も座面もクッション材の無い板張りと同じ状態になっています。背面も座面も中身ウレタン材を新しく作り直さなければなりません。
四代目は背面の形状を見て、どうやって椅子本体のフレーム枠から取り外せばよいかと考えるのでした。
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座面は座裏の4か所のビスで止まっています。ビスを外せば簡単に座面は取り外せます。
問題は背面です。
どこにもビスで止めた形跡が見当たりません。背裏は全て板張りとなっていてビス穴などはありません。
背横を見ても・・・・、
背面の下部を見ても・・・・、ビスで止めた形跡は見当たりません。
うーん、困った????
こういう背面の形状の場合、大抵は椅子本体フレームについている引っ掛け金具に背面を上から押し下げて固定する方法なんだけどなぁ・・・・、と思い、背面下部をゴム槌でたたいてみるもピクリとも動かない。
何回もたたくうちに何となく少し動いたように感じたが、実際はほとんどずれていないかった。引っ掛け金具に引っ掛けてあるはずなんだけどなぁ・・・・??、
背面の横側を確認すると、約10mm厚の板が背面内部にあることがわかる。この板にウレタン材を取り付けて合成皮革(ビニールレザー)を張ってあるのだから、絶対に背面は本体フレームから外れないとならないんです。でも外れない。
絶対に簡単な取り付け構造なので、取付方法の理屈がわかれば「なぁ~んだ、こんな方法か」と、何で気づかなかったのかと毎回後悔するのですが・・・・。
取付け方の理屈がわからないまま、無理な力で取り外そうとすると椅子本体を破壊してしまうことは過去の経験で痛いほど知っている四代目は、独力での取り外しをあきらめ、椅子張り職人工房に持って行ったのでした。 つづく
この記事の続きは「続 椅子背もたれの外し方」でご覧いただけます。
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