四代目独力では取り外すことができなかったバーカウンターチェアーの背面。そこで安田屋家具店専属の椅子張り職人工房に持ち込んだのでした。椅子は業務用椅子工場の「ADAL」の商品でした。
職人に現状を説明して、取り外す方法を聞いてみた。職人曰く「工場によっていろんな取付け方がしてあり統一した方法ではないので、その都度丹念に調べる必要があるんだな。ただどれも単純な方法でしか取り付けてないので、難しい理屈ではないけどね」
外見を二人で見まわしたり、椅子本体フレームと背面材の間にマイナスドライバーを入れて引き離そうと試みるも、いずれも取り外すことはできなかった。
ひょっとして、背面を接着剤で張り付けてしまってあるのか??。いや、背面を接着剤だけで張り付けるのは耐久性が低いので行わないはず。絶対に引っ掛けて止めてあるはず。
そう確信した四代目は、背面の張地を破って、内部を確認するのが一番手っ取り早いと考えた四代目は、職人に張地を破るようにしてもらった。張替を行うわけなので張地を取り外す必要があるので一石二鳥です。
張地である合成皮革(ビニールレザー)を破くと、粘り気のある粉になったウレタン材がボロボロと出てきた。あたり一面粉だらけになり、せっせっと掃き掃除をする四代目でした。
背面の張地と内部のウレタン材を取り除いた後、発見!!、発見!!。
背面下部に2か所のプラスビスの頭が見えた。このビスで背面を椅子本体フレームに固定してあったんだ。だからどんなことをしてもピクリともしないわけだ。
直ぐに2本のビスを取り外す。
そして背面を上に引っ張り上げてみる。スポッと外れた。
外れた後、椅子本体の背面上部に引っ掛け金具となる金属板が2か所取り付けてあった。
この金属板に背面の上部を引っ掛けて、背面下部の2か所のネジ止めて椅子本体に固定してあったのです。
理屈がわかると「な~んだ、そんなことか」となるわけです。
ではなんで、家具業界35年のプロにわからなかったのか。それは、ビスの頭を黒色に塗り、黒色の合成皮革(ビニールレザー)の中に埋めて止めてあったので発見できなかったのです。
今回のバーカウンターチェアーの場合、まず最初に座面を取り外し、背面下部の2か所のビスを見つけて取り外せば簡単に取り外しができるわけです。ビスは外観からはわからないように巧妙に隠してあるので、それを見つけられるかが勝負です。
今回35年のプロである四代目にも残念ながら見つけられないほど巧妙に隠してあったということです。
無理やり外そうと強い力を加えていたら、椅子本体の背面が破損していたことは間違いなしです。
四代目の家具業界人35年の経験上、どんなものも無理な力を加えないと外せない場合は、やり方が間違っている証拠なんです。間違った方法のまま強引にやろうとすると、取り返しのつかない結果となりますので、ご注意ください。
力を加えない方法が正解であることを常に思い出してくださいね。
この記事の関連は「椅子背もたれの外し方」をご覧ください。