飛騨・高山に工場がある「シラカワ(白川製作所)」のロングセラー商品の一つである食堂椅子ルーベンスの修理を承りました。20年程使用されていて、背面の籐シートの破れと座面本革の破れの張替修理です。
背面に使用されている籐シート材は籠目が小さい「三分カゴメ編みシート」を使用しています。そして木部と同色の塗装仕上げが施されています。
籐シート材は塗装仕上げを施すと、籐材を塗膜で固めてしまうために籐材の伸縮性が失われ耐久性がガクンと落ちてしまうと籐職人が言っていました。無塗装の生地仕上げが耐久性が高いのだが、家具工場は耐久性よりも椅子全体の雰囲気を重要視するので着色してしまうんだよなぁーとも言ってました。
職人曰く「売った後の修理をするってことを考えてないんだよなぁー」と嘆いていました。
今回の背面籐シート張替は、生地仕上げと着色仕上げの違いをお客様にご説明いたしました結果、現状と同じ着色仕上げをすることとなりました。
籐シート材の張り方は、木部に溝を彫り、そこに籐シート材と丸芯材をたたき入れて張り込む「溝決め込み仕上げ」です。
籐職人が張る作業では、溝にはめ入れた籐シート材をタッカー針(ホッチキス針の大きいタイプ)で止めないのですが、家具工場では熟練でない作業員でも張れるようにタッカー針で籐シート材を固定するそうです。そのため張替時にこのタッカー針を取外す作業が大変なんです。溝まわりの木部を傷つけないように針を取外さないとならないのですからね。
このタッカー針を使用していることも「売った後の修理をするってことを考えてないんだよなぁー」と職人は嘆いていました。
背面上部の先端部分の塗装色が摩耗ですり減り色が落ちてしまっています。
通常、木部の塗直しは別料金となってしまうのですが、背面籐シート材を張った後に塗装を施すので、その際についでに補色で補修して欲しいと工場に依頼しておきました。もちろんサービスでね。
座面は本革を使用していますが、長年の使用で本革もこんなにすり減るもんなんですね。よっぼと毎日使用する愛着のある椅子であることが想像できます。
張替えに使用する生地は、今回も1脚は本革を使用して、残りの4脚は本革と同色の合成レザー(ビニールレザー)を使用します。中身のウレタン材もボロボロなので、全て新品の材料に取替える必要があります。
お預かりした椅子は、飛騨・高山の工場に送り専属職人に修理してもらいます。修理期間は約1か月です。
修理費用は・・・、
背面籐シート張替は、1脚税込24,000円
座面シート本革張替は、1脚税込23,000円
座面シート合成レザー張替は、1脚税込16,500円
尚、往復の送料が別途必要です。岐阜市近郊であれば送料は無料サービスいたします。
シラカワ食堂椅子「ルーベンス」背面籐シート張替、座面張替のご相談はぜひ安田屋家具店にお問い合わせください。無料でお見積りいたします。お気軽にお問合せください。
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