安田屋家具店

チェスカチェアーの座面籐シート張替のご依頼が、昨年末から増えています。今回は木枠色が黒色の座面が届きました。

　表面

　裏面

　表面

　裏面

破損部分で多いのは、座面向かって左側です。
その理由として、ズボン等の尻ポケット右側に入れた財布などの硬いものが、座った時に籐シートの一点を押し下げる強い力が加わり破れるというものです。それ以外の理由も当然ありますが‥‥、

今回の破損部分はその反対側ですね。
一か所に強い力が加わり、破れてしまったような症状です。

チェスカチェアーの座面面積は大きいので、籐シート材だけでは耐久性が弱いです。座面籐シートが手編み仕上げであれば、かなり耐久性は高いのですが、一般的な「溝決め込み仕上げ」の場合は、手編み仕上げの半分の強度となり弱いです。

そのため座面裏側に籐皮を撚った籐バンドを「十文字」または「井桁」状に取付ける補強仕上げをお勧めしています。今回の張替は「十文字補強」を入れさせていただきました。

お預かりして１０日ほどで修理完了です。

籐シート材は「五分カゴメ編み籐シート・無着色の生地仕上げ」を使用しました。張替直後は白っぽい色をしていますが、年数が経過するごとにアメ色に変化していき、今回張り替えなかった背面籐シート材とほぼ同じ色になります。年数はかかりますが・・・・。

座面表面からは見えませんが、裏側に籐バンドの補強材を「十文字」に取付けてあります。

座った時に体重をこの「十文字補強材」が受け止め、籐シート材が下方に荷重がかかるのを軽減させています。それにより籐シート材の耐久性が高くなり、手編み仕上げの強度とほぼ同じとなります。

ただし適切に使用しないと直ぐに破れる場合もありますのでご注意ください。座面が布張りや板座と違って、籐シート張りは繊細な材質のため、不適切な使用をされると張替後すぐに破れることもありますのでご注意ください。

籐シート材は補強材を入れたとしても常に「破れる素材」であることを自覚ください。

今回の張替費用は、座面張替が１脚税込１８，０００円。十文字補強仕上げが１脚税込６，０００円。お客様宅～当店、当店～お客様宅までの往復の送料が別途必要です。(価格は2023年2月時点)

今回の合計費用は、１脚税込２４，０００円＋往復送料となります。(価格は2023年2月時点)

送料を安価にするため、椅子本体を送るのではなく、座面部品を本体から取外して、座面部品のみお送りください。椅子裏側にてネジで止めてありますので、ネジを外せば簡単に取外せます。地域にもよりますが、安田屋家具店からの送料は座面部品のみであれば概ね税込み１，０００円程度です。

チェスカチェアー座面・背面ともに籐シート張替はぜひ安田屋家具店にご相談ください。