アングル丁番金具についてのお問合せがありました。
「本箱の蝶番が折れてしまいました。 「マルシン20-A20」と刻印されています。 これに見合う蝶番がありますか?」という内容でした。
「マルシン」、ひょっとしてかつて家具業界で一時代を築いた「スライド書棚」メーカーの「丸伸 (マルシン)」のことではないかと直感しました。本箱と書かれているので、多分間違いないと思います。
スライド書棚
かつてスライド書棚を製作していた「マルシン」では、書棚の扉に使用していたアングル丁番金具に自社名「マルシン」を刻印させた金色のオリジナル金具を使用していたことがありましたのでそう思いました。「20-A20」のAは、恐らく金具工場の何かの識別の刻印だと思いますので、あまり重要な意味は持っていません。アングル丁番金具を取り替える場合に重要なのは、金具のサイズです。今回の場合は「20-20」がとても重要です。「アングル丁番金具20-20」を入手すれば、簡単に取り替えることができます。
「マルシン」のスライド書棚の扉取り付けアングル丁番金具であれば、当店でも取替え修理を行なっています。交換した金具は「アングル丁番金具20-20 仙徳色」です。
お問合せの本箱の蝶番もこの「アングル丁番金具20-20 仙徳色」に取り替えられれば良いと考えます。尚、蝶番が折れたということは、家具本体が水平ではなく多少のゆがみがあるために蝶番に無理な力が加わり、折れたものと考えます。
同じ扉に取り付いている金具は同様に無理な力が加わったていると考えますので、まだ折れていない金具も金属疲労を起こしている可能性が高いので、同じ扉についている金具は全て取り替えられることをお勧めいたします。 「アングル丁番金具20-20 仙徳色」は、当店のネツトショップ「ぎふ楽市楽座」店にてお買い求めいただけますので、ぜひご利用下さい。
余談ではありますが、スライド書棚を製作していた静岡の「マルシン」は、30年近くのロングラン商品であったスライド書棚「ブックマン」の製作を止めました。そして聞くところによると家具メーカーとしては撤退したそうです。現在は静岡の自社ビルの不動産管理を行なっているだけだと聞きました。アイデアマンであった会長一人に支えられていたところがありましたので、早晩こうなることは予想できました。でもスライド書棚を製作する工場がなくなってしまいました。カラーボックス的な安価なスライド書棚はあまたありますが、耐久性に優れた本格的な家具としてのスライド書棚がなくなってしまいました。これも「i pad」などのデジタル化が進んだせいなんでしょうか。
「マルシン」の社員がその後、スライド書棚の会社を立ち上げ、スライド書棚「ブックマン」の特許などを譲り受けて新しい商品として製作・販売しているとの情報がありました。早速コンタクトを取ってみようかと思います。