今年の夏に修理をさせていただきましたイームズラウンジチェアーについてのお問合せがありました。今回のご相談内容と同じようなお悩みをお持ちの方も多々おられると思いますので、ご紹介させていただきます。今回の内容は三重県の外車ディラーショールームにてご使用になられている白色革仕上げのイームズ ラウンジチェアーでした。
先日、お問い合わせ致しました、チェア修理の件、修理箇所の写真を送付させて頂きます。内容と致しましては、背もたれ部分のクッションの支え部分(後ろ側)のボルトがかまなくなりおそらく背もたれのクッションをはがし内側からボルトを閉め直しになるのではと予想しておりますが、修理可能かどうか、また可能な場合のお見積もりのお返事をよろしくお願い申し上げます。
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背中の外れた部品は、クッションを取外した反対側からネジを締め込んで取り付けられています。そのため金具を取り付けるには、背もたれのクッション材を取外さなければなりません。背もたれクッションは、椅子本体木部側に繊維板のベースがあり、そのベースにウレタンクッションを貼り付け、さらに本革張地を被せてタッカー(ホッチキスの大きい針)で留めてあるものと思います。そしてこのクッション材は恐らく、ボタン、または引っ掛け金具、またはマジックテープで椅子本体と接合してあるものと思います。したがいまして、接合してあるクッションが取外せれば、ご自分で外れた金具の取り付け修理ができると思います。 以前当店にて修理した時のクッションを取外した状態は次のようになります。
上記写真は、背もたれの一部と座クッションを外した状態です。背・座部分の四方に幅広の黒色部分がマジックテープが付いていました。
取外した座クッションです。四方に黒色のマジックテープが付いていました。マジックテープは、クッション材の四方の周囲についていますので、力を入れてクッション材を前に引き離すようにしてください。木部との間に隙間が多少でもできたら、定規のような薄い板を差し込んで、その隙間を徐々に広げるようにしてください。四方の1辺でもマジックテープが外れかけたら、後は簡単にはがすことができると思います。コツは、マジックテープが再接着しないように、はがれたマジックテープ部分に紙を差し込んで、再接着しないようにすることです。
この背もたれのクッションが外れれば、金具取り付けのネジが確認できますので、外れた金具を留めてください。その後、取外してあるクッション材を元の位置にくっつければ修理完了となるものと思います。
ただ本物、各種のジェネリック家具のクッション取り付けが全てマジックテープで止める方式なのかはわかりません。当社で修理したジェネリック家具(本物で無いタイプ)は、マジックテープでクッションが取り付いていましたので、多分お問合せの商品も同じではないかと思います。一度試してみてください。外れない場合はご連絡下さい。尚、革材を破かないようにご注意して作業を行ってください。
数日後、お問合せいただきましたお客様から御礼のメールをいただきましたのでご紹介します。
先日お問い合わせ致しました、「イームズラウンジチェア」修理の件、無事自社で修理ができました。この度は、詳しく修理方法教えてくださり、また動画サイトなど本当にご丁寧にご親切にして頂き誠にありがとうございました。また今後何かございましたらよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。
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