座面が籐で張ってある食堂椅子のご修理に関しての問合せが多くありますのでご紹介します。座面が籐で張ってある食堂椅子の多くは曲木椅子でした。ブナ材を曲げて製作した曲木椅子のフレームはもともと軽いのですが、さらに座面も籐張りにすることによってさらに軽い椅子になっています。15年以上前の商品としては「秋田木工」製作の曲木椅子が代表的な商品でした。
その後、東欧などからの安い曲木椅子が市場に多く出回り、「秋田木工」は廃業してしまいました。現在は大塚家具グループの子会社となりました。そして大塚家具オリジナルとして、かつての「秋田木工」の商品を製作しています。大塚家具でしか購入できないオリジナル商品となった「秋田木工」の曲木家具の価格は、かつての「秋田木工」価格の2倍くらいの高値をつけて販売しています。
座面に使用される籐シートの材質が悪くなり、耐久性が3分の1程度に落ちてしまったため、最近では座面が籐張りになっている食堂椅子はなくなりました。座面が籐シートの場合、とっても軽くてよかったんですけどね。
曲げ木椅子に使用される籐シートは「カゴメ編み」です。ます目が少し大きめの「五分カゴメ編みシート」が使用され、無着色の生地仕上げです。年数の経過とともに最初は白っぽかった籐シートが徐々にアメ色に変化していくよさがありました。
さて座面の籐シートは消耗品であり、平均15年~20年前後で籐シートが破れてしまい張替え修理を考える時期となります。
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この座面籐張替え修理ですが、籐シートの張り方が「手編み仕上」または「溝決込み仕上」の二通りあり、価格が大きく違ってきます。「手編み仕上」「溝決込み仕上」は、座面のふち周りを見ればどちらかすぐにわかります。まずは「手編み仕上」は・・・、
このようになっています。座面ふち周りに均等に籐皮を通す穴が開いていて、そこに籐皮を差し込みながら手編みで編み込まれています。手編みの耐久性はかなり長く、とても丈夫です。「手編み仕上」の場合の張替え費用は、1脚税込70,000円前後なる場合が多いですね。座面の大きさによっても価格が変わります。尚、当店からお客様宅までの送料は含んでおりますが、お客様宅から当店までの送料は別途ご負担下さい。次に一般的な「溝決込み仕上」は・・・、
一般的な「溝決込み仕上」の場合ですと、五分篭目編みシートを使用し、無着色の生地仕上げで行なった場合、1脚税込16,000円前後になる場合が多いですね。尚、当店からお客様宅までの送料は含んでおりますが、お客様宅から当店までの送料は別途ご負担下さい。
「手編み仕上」の座縁を溝彫加工して、「溝決込み仕上」に変更した場合は、1脚税込18,000円前後だと思います。「溝決込み仕上」に変更した場合、将来的に上記の「溝決込み仕上」修理費である16,000円前後で何度でも張替えが可能です。
木部フレームのガタツキ、ぐらつきがなければ、座面籐シートを張りかえられることをお勧めします。現在、座面が籐シートになっているチェアーは、ほとんどありません。座面が籐シートの場合、椅子がとっても軽く便利です。座面籐シートの椅子は貴重な椅子でので、ぜひ張り替えて使われることをお勧めします。
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