30年前にご婚礼家具の一つとしてご購入いただいた山県市のU様の食器戸棚丁番取替報告の続報です。
破損金具はすでに現存していない金具であったが、金具サイズは「20-15」と代替金具のあるサイズだったのでお客様宅で取替修理に取り掛かろうとした四代目。
ただ破損金具が30年前の金具であったため、金具円形部分のサイズが現在の代替金具と異なる旧型タイプであったことを確認したのでした。しかし、ご訪問前にひょっとして旧型タイプの金具の場合もあることを考えた四代目は、ちゃんと復刻した旧型タイプの金具を持参していたのでした。
現行金具と同じで、家具本体側に取付ける金具の形状が少し違っています。ただし耐久性の違いはありませんので問題なく取替修理ができます。
金具サイズ「20-15」のみ、旧型金具の金型が工場に残っていて、それを譲り受けた別工場が復刻金具として現在も細々と生産をしています。他のサイズは復刻していないのに、どういうわけか「20-15」サイズのみなんです。それだけ需要が多いということでしょうかね。
金具の円形部分を合わせてみます。
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まったく同じです。
金具を固定するビス穴位置もほぼ同じ位置です。扉にあいている穴にスポッとはめ替えができ、ネジ穴も同じなので女性でも簡単に取り換えができちゃいます。
この復刻 旧型金具で早速取替修理開始です。
通常は取り換えに10分もあればできちゃうんですが、金具を取り外す時に途中でネジが折れてしまったネジ先端が木部の中に埋まったままです。取り除かないと新しいネジが入りません。2本もあったのです。
ノミを持っていなかったので、先端が細いマイナスドライバーで折れて埋まっているネジ付近を彫ります。ニッパで折れたネジの先端をつかみ逆回転して取り除きます。難作業で2本取り除くのに20分もかかってしまいました。
折れたネジも取れたので、旧型タイプの代替金具を扉に取付けます。そして食器戸棚本体に扉を取付けて修理完了です。ご訪問して1時間の作業でした。
扉取り付けの際にはちょっとした技術が必要です。技術といっても難しいことではないので少しお伝えします。
家具本体側に取付ける金具の形状が破損金具と代替金具は異なるので取付ネジ位置が同じ場所ではありません。そのため2人で扉取り付け作業をします。一人が扉を持ちます。扉の最上部に厚み3mm位のベニヤ板や厚紙を付けます。その状態で扉を家具本体の側板の木口に押し付けます。この時金具の折れ曲がった部分と側板の間に隙間が生じないように密着させます。
その状態でもう一人が一番上の金具の取付ネジ位置の真ん中部分(楕円形になっている)にネジを入れて取り付けます。次に一番下の金具の取付ネジ位置の真ん中部分(楕円形になっている)にネジを入れて取り付けます。これで扉の仮止めができています。
扉最上部に取り付けたベニヤ板または厚紙を取り外して、扉の開閉具合を確認します。スムーズに扉の開閉ができいればOKです。また扉が家具の天板などに当たっていないかを確認します。問題なければすべての金具の全てのねじ取付位置をネジで固定します。これで取替修理完了です。
この方法で行えば女性でも簡単に取り換え修理ができますのでお試しください。
今回ご紹介した「復刻 旧型タイプ20-15丁番」は。24時間365日いつでも安田屋家具店オンラインショップにてお買い求めいただけます。ぜひご利用ください。
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