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100年前の桐たんす洗濯修理

80年位前の桐たんす洗濯修理のお問い合わせがありました。現物を見にお伺いし、桐たんすの状態を確認させていただき大まかな修理箇所を把握します。そして一般的な桐たんす洗濯作業と照らして、最大手間がかかった上限価格~想像よりも手間がかからない場合の最低修理価格をお客様にお伝えします。

お客様が考えられていた予算に近い場合は、お客様のご了解を得て桐たんすを一旦お預かりします。お預かりした桐たんすは職人工房に持ち込み、修理箇所を細部にわたるまで確認し、正確な桐たんす洗濯修理費用を算出します。正確な金額が出たらお客様に御見積もりをご連絡し、修理方法をご説明します。お客様のご予算内でご用命いただけた場合は洗濯作業に取り掛かります。お客様のお考えになられていた金額よりも高かったりして洗濯修理を見合わされる場合は、お預かりした桐たんすを元のお客様宅にご返却します。安田屋家具店では、ここまでの御見積作業を無料で行っています。

そして今回80年くらい前のお母上様の桐たんす一竿、そしてその前の世代である祖母様の100年位前の桐たんす一竿、合計二竿を御見積もりのためにお預かりいたしました。両たんすとも前面のみに桐材が使用されていて、他の部分(側面・天面・引出し内部)は杉又はモミ材を使用してある【 前桐たんす 】でした。

 100年前の祖母様のたんす

 側面です。

左奥に見えているのが、80年位前のお母様のたんすです。
100年前の祖母様のたんすは、当時接着剤として「ごはんのり」(ご飯をすりつぶしてノリとして使用した)を使用していたので、虫食い箇所が多々あります。虫食い箇所は木部内部がスカスカになっているのでやっかいな修理となります。

これは上棚の引き戸ビラ下部の虫食い箇所です。写真中央の点々と穴が開いている箇所が虫食いです。

たんす最上段の見附部分はすっかり食べられてしまっています。

前面のたんす見附部分の桐板ははがれてしまっていたり、大きく凹んでいたりしています。

たんす両側面は杉材が使用されていますが、木が縮んで割れてしまっています。お客様が一部ガムテープを張ってあった痕が見えます。

たんす全体の傷みが大きいので通常の桐たんす方法だけではきれいになりません。そこで今回の修理方法は【 桐たんす洗い・張り直し 】を行います。この方法は桐たんす左右側面・前面の全部分に新しい桐板を張る方法です。桐板は薄い突板材ではなく1分五厘厚さの桐板を使用します。

洗濯作業としては、金具を全て取外し、沸騰したお湯で桐たんす本体・引出しなど全部分をたわしで洗います。
その後乾燥させて木部補修作業を行います。今回は左右側面・前面の全部分に新しい桐板を張ります。
さらに背板は新しい杉板材と取替えます。ふすま板戸は桐材で新しく作り直します。
取外した金具のサビを落とし、黒色に塗り替えます。
木部補修を終えたら仕上げに入ります。
たんす表面に「やしゃ」の実を煎じた液を塗り、乾燥させます。
桐たんす仕上げである「トノ粉」を塗り、乾燥させます。
表面に防水効果を持たせるためにロウを塗ります。
最後に金具を取り付けて仕上げます。

大まかにはこんな作業手順を行います。
今回の100年前の前桐たんすは、洗濯修理後、左右側面・前面が桐材となるので「三方桐たんす」に変身します。ただし目に見える部分は新しい桐材の木目となってしまいますので、祖母様がお嫁入り時に持ってこられた桐たんすの木目は隠れてしまいます。でもなくなるわけではありません。祖母様の想い出と歴史を刻んだ木目の上に、新しいご家族の想い出と歴史を新たに刻み込むための桐材が付いただけです。樹でいうなれば【 年輪 】を重ねることと同じです。

今回の洗濯修理費用は、税込148,000円の御見積金額が出ています。(岐阜市近郊以外への送料は別途です) ご用命いただいた場合は、作業に約1ヶ月かかります。いずれ新品同様にリフレッシュしたたんすをご紹介します。

ぜひ次回ビフォー・アフターを見比べてください。

5月 31, 2010 · Posted in 家具リフォーム・修理, 桐たんす洗濯  
    

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