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円形籐スツール張替

40年程使用されている円形の籐製(ラタン製)スツールの座面に張られている籐シートが破れたので張替を依頼されました。

座面サイズは直径350mm。
籐シートは「五分カゴメ編み」、無着色・無塗装の生地仕上げです。木部渕周りに溝が彫ってあり、そこに籐シートを入れ込んだ後、籐丸芯材をたたき込んで仕上げる「溝決め込み仕上げ」となっています。

座面の破れ方を見ると、1点に荷重がかかって破れが広がった様子が見られます。恐らくスツールの座面間の上で立ち上がって踏台代わりに使用したのが破れの原因だと思います。籐シートは1点に荷重がかかると破れやすいので注意してください。

手編みに比べて「溝決め込み仕上げ」の耐久性は半分程度となりますが、価格が安価で、何回でも張替ができることから、多くの籐材家具に使用されています。座面裏側には補強材は入っていません。

現在と同じ「五分カゴメ編み籐シート」無着色・無塗装の生地仕上げでの張替費用は、税込15,000円(2021年5月時点)。往復の送料が別途必要です。今回は岐阜市近郊の場所だったので、四代目が引取・お届を行いますので送料は無料です。

お客様には籐シート材の強度が約2倍となる「十文字補強」を座面裏に取付けることをご提案いたしました。

籐皮を撚って作ったバンドを座面裏に十文字に取付けます。座った時に荷重をこの十文字補強が受け止め、籐シートへかかる荷重を軽減させますので、籐シート材の耐久性が高くなります。手編み仕上げの強度を100とすると、今回の溝期見込み仕上げの強度は50となります。十文字補強を入れると強度が50増しますので、ほぼ手編み仕上げの強度と同じとなります。

十文字補強仕上げは、張替とは別に税込み5,000円となります。今回の場合、張替15,000円+十文字補強5,000円となり合計金額は税込み20,000円となります。お客様から十文字補強で仕上げて欲しいと承りましたので、早速職人工房に持ち込みます。

修理期間は約10日間。仕上がりを楽しみにしてください。

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6月 18, 2021 · Posted in 籐家具修理  
    

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