安田屋家具店

以前にも同じようなご相談がありましたが、折戸式クローゼットの扉に使用されている丁番金具が、本来の取り付け方とは違う間違った取付け方がされている状況でのご相談です。

M様からのご相談
３４年前に取付した、蝶番をさがしています。

代替品で取替可能でしょうか？ 扉を立てたまま、クローゼット内部に入り取替可能でしょうか？　１２個用意したいのですが、見積りはいかほどでしょうか？

写真を見ると、おやおや、この金具は「彫り込み式」です。本来は扉に金具をはめ入れるための円形溝が彫ってあり、その溝に金具をはめ入れて取付けるのです。

M様宅は扉に彫り込みを行わないで、扉表面に直接金具を取付けています。

これは間違った取り付け方法です。
扉を開けた時に、扉と扉との間の隙間が本来よりも金具の厚み分だけ大きく開いてしまいます。ただし扉開閉には支障は生じないのです。でも本来の取り付け方と違っているので、耐久性・強度は本来の機能よりも低下しています。

ではなぜ間違った取付け方をしているのでしょうか。
住宅建材メーカー、工務店などプロの方が取付け方を知らないはずがありません。扉に溝を彫る手間、費用を省くために扉表面に直接金具を取付けたと思います。

今回の場合は扉８枚あります。扉１枚に３か所の丁番金具を取付けるとして、８枚×３か所=２４か所に円形溝を彫らないとなりません。それを無くせば費用と手間が大きく省くことができると考えたのでしょうかね。なにせ間違った取付け方をしても扉の開閉に支障はないと分かっているのですから。

しかし・・・、
扉に溝を彫る必要が無い「直付けタイプ」の金具が別にあるんです。それを使用すればいいのに、手持ちの金具在庫の関係で「直付けタイプ」金具を使用しなかったのでしょうか。

安田屋家具店からの返信
現状の金具は、本来とは異なる方法で扉表面に取付けてあります。そのため金具が扉表面から金具の厚み分浮き上がった状態で取付いています。

破損した金具は本来、扉に金具をはめ入れるための円形の溝が彫ってあり、その部分に金具をはめ入れて取付ける方法です。

現在と同じ扉に円形溝を彫らないで、扉表面に金具を直接取付ける「直付けタイプ」金具がありますので、その金具で代替えされると良いと考えます。

金具の形状は円形ではなく、四角型となります。取付ビスは片側に4か所ずつ、合計8か所での取付となります。

ご提案する四角形の金具は、扉側に溝彫加工をする必要が無い、扉表面に直接取付けるタイプです。扉１枚に取付いている金具は全て同時に取替えてください。新旧の金具が混在して取付いていると、扉が開かなくなりますのでご注意ください。

金具は１個税込み６００円です。送料２００円が別途必要です。

ご注文は３６５日２４時間いつでもできる安田屋家具店オンラインショップをご利用ください。

クローゼット折戸用「直付けタイプ丁番」の取替方法についてご案内します。

クローゼット内部に入って取替作業ができるスペースがあれば、扉がクローゼット本体に取付いたままの状態で、1人の方がクローゼット内部に入り、もう１人の方がクローゼット外から扉を抑えて作業してください。

破損していない古い金具を2個用意して、扉最上部と最下部に取付け、扉同士が接合している状態で、なおかつクローゼット本体に扉が取付いている状態にします。この状態で扉を閉めます。

クローゼット内部の方が、扉中央部の古い金具が取付いていた箇所に、新しい代替金具をあてがい、金具四方端にあるネジ穴を使用して、４か所の仮止めをします。 次に最下段の古い金具を取外し、その部分に新しい代替金具を先ほどと同じように４か所の仮止めをします。 次に最上段の古い金具を取外し、その部分に新しい代替金具を先ほどと同じように４か所の仮止めをします。

全ての金具を新しい金具に取替えたら、扉を開けて、開閉具合を確認します。開閉に支障が出る場合は、金具取付位置を微調整します。扉開閉に問題が無ければ、金具の残りのネジ穴を使用して確実にネジ止めを行います。 他の扉も同様の方法で新しい代替金具に取替えます。

クローゼット内部に入って作業するスペースが無い場合は、扉同士が古い金具で接合してある状態で、クローゼット本体から扉を外し、床に寝かせます。この状態で先ほどご説明した方法で、古い金具を新しい金具に取替えます。金具は4か所のネジを止めるだけの仮止めの状態にして、クローゼット本体に扉を取付け、扉開閉具合を確認します。

扉開閉に支障がある場合は、扉を再度クローゼット本体から取外し、金具の取付位置を微調整します。

扉開閉に支障がない場合は、扉をクローゼット本体から再度取外して床に寝かせ、残りのネジを全て取り付けます。その後、扉をクローゼット本体に取付ければ修理完了です。

作業は必ず２人で行ってください。
扉を床に寝かせる場合は、毛布などを敷いて、床が傷つかないように注意してください。この方法がお役に立てば幸いです。