座面が籐で張ってある食堂椅子のご修理に関しての問合せが多くありますのでご紹介します。座面が籐で張ってある食堂椅子の多くは曲木椅子でした。ブナ材を曲げて製作した曲木椅子のフレームはもともと軽いのですが、さらに座面も籐張りにすることによってさらに軽い椅子になっています。15年以上前の商品としては「秋田木工」製作の曲木椅子が代表的な商品でした。

 その後、東欧などからの安い曲木椅子が市場に多く出回り、「秋田木工」は廃業してしまいました。現在は大塚家具グループの子会社となりました。そして大塚家具オリジナルとして、かつての「秋田木工」の商品を製作しています。大塚家具でしか購入できないオリジナル商品となった「秋田木工」の曲木家具の価格は、かつての「秋田木工」価格の2倍くらいの高値をつけて販売しています。

 座面に使用される籐シートの材質が悪くなり、耐久性が3分の1程度に落ちてしまったため、最近では座面が籐張りになっている食堂椅子はなくなりました。座面が籐シートの場合、とっても軽くてよかったんですけどね。

 曲げ木椅子に使用される籐シートは「カゴメ編み」です。ます目が少し大きめの「五分カゴメ編みシート」が使用され、無着色の生地仕上げです。年数の経過とともに最初は白っぽかった籐シートが徐々にアメ色に変化していくよさがありました。

 さて座面の籐シートは消耗品であり、平均15年~20年前後で籐シートが破れてしまい張替え修理を考える時期となります。

この記事の続きを読む »

この記事の内容が役に立ったら共有してね!
11月 19, 2011 · Posted in 椅子張替え  
    

 25年ほど前にご購入いただいたデスク回転椅子の具合が悪いとのご連絡を受けて早速お客様宅を訪問しました。

 四国、高松市に工場のある「森繁(モリシゲ)」の「ジャクソン」シリーズの商品でした。四代目もとっても懐かしい商品とのご対面です。この「森繁」は、日本を代表する良い家具を製作し続けているトップブランドですが、それは家具業界の中だけの話で、一般の方にはあまり知られていない工場です。かつては「森繁」という漢字名でしたが、最近は「モリシゲ」とカタカナ表記にしています。工場のロゴが「オリーブ」の葉をモチーフにしているので、「オリーブ印の家具」とも呼ばれていました。

 不具合な箇所は、キャスター脚のキャスターが外れてしまうことでした。

この記事の続きを読む »

この記事の内容が役に立ったら共有してね!
11月 21, 2011 · Posted in その他の家具修理  
    

 今年の夏に修理をさせていただきましたイームズラウンジチェアーについてのお問合せがありました。今回のご相談内容と同じようなお悩みをお持ちの方も多々おられると思いますので、ご紹介させていただきます。今回の内容は三重県の外車ディラーショールームにてご使用になられている白色革仕上げのイームズ ラウンジチェアーでした。

 先日、お問い合わせ致しました、チェア修理の件、修理箇所の写真を送付させて頂きます。内容と致しましては、背もたれ部分のクッションの支え部分(後ろ側)のボルトがかまなくなりおそらく背もたれのクッションをはがし内側からボルトを閉め直しになるのではと予想しておりますが、修理可能かどうか、また可能な場合のお見積もりのお返事をよろしくお願い申し上げます。

この記事の続きを読む »

この記事の内容が役に立ったら共有してね!
11月 29, 2011 · Posted in その他の家具修理  
    

先日ご紹介したイームズ ラウンジチェアーの背・座クッション取外し方法について、いろいろな方法での取り付け方があることがわかりましたのでご紹介します。以前、安田屋家具店にて修理したチェアーの背・座クッションは、マジックテープで木部のプライウッド(成型合板)にくっつけてありました。このときのチェアーはレプリカ商品でした。

その後調べていくうちに、本物のオリジナルデザインは、マジックテープではなく凸のあるボタンで止めてあるようです。分解方法を紹介している動画がありましたので、参考にしてください。

さらに調べていくと、多分動画の背景から推察すると中国製ではないかと思いますが、椅子本体の木部に凹の引っ掛けメス金具が取り付いていて、背・座クッションには凸のオス金具が付いていて、上部から金具を差し込んで引っ掛け取り付ける方法もありました。こちらも分解方法を動画で紹介していますので、参考にしてください。

 ボタン式、マジックテープ式は引っ張り上げるようにすれば取り外しができるものと考えます。引っ掛け金具式は、クッション下部から上に向けてたたいて引っ掛け金具を取外すイメージを持って行なえば取り外しができるものと思います。どの方法も強引に引っ張ったりすると本革を破いたり傷付けたりしてしまいますので、十分注意して作業を行ってください。

 取外す方法のイメージを持って行なえばできます。一箇所でも取り外しができれば、どの方法で取り付いているかが判明しますので、そうなれば後の取り外しは簡単にできます。ただひとつだけ、専門化がコツをお教えしましょう。

 取り外しを考えてある物は、どんなものでも決して強引な、無理な力を加えなくても簡単に取り外しができるようになっています。力を入れなくても簡単に取り外しができる仕組みになっているんです。強引な力を加え加えなければ取り外しができないような感じであれば、取り外し方手順が違っているわけです。強引な力を加え続けると、破損することに必ずつながります。無理な力を加えている時は、取外し方法が違うということを常に考えてください。そしてもう一度じっくりと仕組み・構造を再考するようにすることが、家具を破損させないコツです。

 四代目も今まで家具修理の作業中に無理な力を加えてしまい、何度も家具を破損させた経験があります。その中で、無理な力は必要ない、無理な力は方法が間違っており、続けていると破損につながるということを身をもって知り得た貴重な知識なんです。

この記事の内容が役に立ったら共有してね!
12月 1, 2011 · Posted in その他の家具修理  
    

 ダイニングテーブルのリフォームに関してお客様からお問合せがありましたのでご紹介します。

 半年ほど前に緑色のテーブルの塗り直しとカットについてお店に聞きに行った者です。30年以上前に買ったテーブルの天板を塗り直したいのですが、どこに聞いても出来ない、買い直した方が安いと言われました。でも、この天板を同じ色に塗り直して使いたいのです。ダイニングテーブルの写真を添付いたしました。現在物置状態になっており、上に色々乗っている状態で見にくくなっており、申し訳ありません。天板サイズは90cm×150cmですが、70cm×120cmにカットして、ワークテーブルに再利用したいと考えております。

 天板の塗り直しと、テーブルサイズを小さくしたいとの内容でした。今までも数多く手がけたことのあるリフォーム内容です。まずは添付されてきた写真を確認します。

 板脚のH脚タイプでした。
 縁周りは10~15㎜前後の単板が張ってある仕上げです。天板面が薄い(1ミリ以下)突板ですので、削りすぎると下地の合板が出てしまいます。写真手前側の白くなっている塗装が剥げている部分がどの程度なのか、またあまり深いキズが天板にある場合は、そのキズは残ります。深い傷をなくすように天板を削ると下地の合板が見えてしまうからです。

この記事の続きを読む »

この記事の内容が役に立ったら共有してね!
12月 13, 2011 · Posted in その他の家具修理  
    

« 前ページへ次ページへ »

Verified by MonsterInsights