お客様宅からお預かりした椅子修理で、修理原因の金具の剥がれ部分を溶接するために、数少なくなった街の小さな鉄工所に金具を持参した。溶接を依頼すると意外な返答があった。

「これは溶接できないなぁー」

えっ・・・・・、

「これは鉄じゃないよ。鉄なら溶接してあげるけどさ、これは無理だね。これは真鍮だからさぁ、ここじゃあ溶接できないよ」

えっ・・・・、真鍮なの。真鍮は溶接できないの????、そ、そ、そうなんだ。

簡単に修理ができると考えていた四代目は、その後鉄工所の親父さんから、真鍮のことについて説明を聞きながら、次の対処をどうしようかと思い巡らせていた。

安田屋家具店にもどり、真鍮の溶接方法について調べる。すると真鍮は溶接方法での高温を加えると溶けて変形してしまうため、ロウ付け・はんだ付けなどの低温での方法を行なうそうである。真鍮をロウ付けしたり、はんだ付けしたりする工場を四代目は知らないし、安田屋家具店近くにはなさそうである。困った。

真鍮、しんちゅう・・・、

あっそうだ、真鍮といえば水栓金具に使用してる金属だ。水栓金具といえば、岐阜市のお隣、山県市美山には水栓金具工場が多々あり、四代目の知り合いがいたよね。早川バルブの早川社長、すぐさま携帯に電話して事情を説明して真鍮金具のロウ付けを行なう工場を知らないか聞いた。すると・・・・・、

「数量はどのくらいあるんですか?」と聞かれたので、小さな金具1個だけなんだけどと返事をすると、

「同じ金具の数量がまとまればやってくれる工場はありますが、1個だけというのを対処できる小さな工場は思い当たりません」、そりゃまっ、そうだろうなと思った四代目でした。早川社長に御礼をのべて、次なる手を考えたのでした。

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7月 19, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

イタリア高級家具の椅子ご修理の続報です。
1脚約12万円前後のダイニングチェアーです。

金具の接合が難しそうであれば、金具そのものを取り替えれば簡単に修理が完了するわけです。問題は金具部品を入手できるかです。そのためには、どこの工場の椅子なのかを調べなければなりません。どこかにそれらしきものは無いかと探すと、座面下にかろうじて残っていた商品タグを発見。

すぐさまネットで検索。

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7月 21, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

お客様から依頼された輸入家具の椅子ご修理、その商品名、工場名がわかったことで、次なる手を打った四代目です。商品名「ASTORIA CHAIR」を取扱、販売をしている家具店に破損した部品のみの販売はできるのかをメールで尋ねてみた。

「はじめまして。岐阜市で家具販売・家具修理を行なっています株式会社安田屋家具店と申します。お客様からの修理依頼の商品が、御社の取扱商品であることがわかりましたのでメールさせていただきました。お客様はどちらの家具店で購入されたかわからないため当社に修理依頼がありました。

商品名 BONACINA Astoria Chair
修理箇所
カバーリング仕様になっている座面を固定するために背もたれ木部に取り付けてあるアングル金具のL型部分の一方が、接合離れによって破損しています。そのため背もたれ木部に金具を固定できない状態で、
座面がぐらついてしまいます。

修理法法
添付しました写真のシルバー色の座面受けアングル金具を1本交換する方法。革ロープをまたぐ補助金具、ネジなどは全て揃っているのでアングル金具のみ取替えです。

依頼事項
添付しました写真のシルバー色の座面受けアングル金具のみ1本を送っていただくことはできますか。その場合の価格をお知らせください。取替え修理は当店にて行ないます。修理脚数は1脚のみですので、取替え金具も1本です。以上、ご連絡をお待ちしています。 」

翌日、早速に返信がありました。

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7月 23, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

輸入総代理店ではないので無理のないことですが、度量の小さい「ASTORIA CHAIR」取扱店での金具部品調達が無理であることがわかったため、それでは直接イタリアの工場に問合せメールを送ることにしました。

メールの送信先は「BONACINA」、イタリアの家具工場のようです。

まずは日本語で「Astoria Chair」の破損状況と金具部品を送って欲しい、価格はいくらかを尋ねる文章を作成。その日本文を四代目の奥様に英訳をしてもらった。そして「BONACINA」ホームページのContactsページからメールを送った。

「about Astoria Chair from japan
Dear sirs,

I regularly use your product ‘BONACINA Astoria Chair’ in my house in Japan.
One of metal parts which fixes seat is broken. If you send this metal part, I would repair it by myself.

Enclosed (attached) please find a picture of the metal part which I need.If it is possible to send me exactly the same metal part (silver colour),please inform me the price and how to pay .

I really like your furniture and would like to use it for longer time.

I’m looking forward to hearing a good news from you soon,

Sincerely yours,」

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7月 29, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

イタリアの家具工場、BONACINA(ボナチナ)のAstoria Chair(アストリアチェアー)修理方法である金具部品交換以外で安価にできる修理はないか考えてみました。

はがれた金具部品を接合すれば問題解決するのですが、金属が真鍮のため通常の溶接ができません。ロウ付けという方法らしいのですが、安田屋家具店近くにロウ付けをしてくれる工場があるか調べてみましたが、それらしき工場はありません。

そういえば数日前に真鍮金具つながりで尋ねてみた早川バルブの早川社長からヒントをいただいていたことに気がつきました。早川社長曰く「当社でも1個や2個の修理には、はんだ付けで修理しますよ。はんだ付けでもいいんじゃないでしょうか」

な、な、なるほどはんだ付けか。
はんだ付けで荷重に耐えられるのかな、と思いつつ、はんだ付けをしてくれる工場を探しました。すると近所に1件ありました。通常は仏壇の真鍮金具などを製造している「加藤かざり屋」です。すぐに破損した部品を自転車に乗せて出発。安田屋家具店から自転車で5分ほどの「加藤かざり屋」さんに到着。

職人に金具を見せると
「これは真鍮だね。真鍮と真鍮を接合するならはんだ付けでできるね」と言ってくれました。耐久性も荷重に耐えられるようです。金具のはんだ付け、再塗装などを含めて12,000円程度の修理費用でした。部品交換の半値でできます。

その場でお客様に電話をして、修理費用をお伝えすると金具のはんだ付け修理で行なって欲しいとのご依頼を受けましたので、すぐさまその場で職人に金具のはんだ付けを依頼した四代目でした。

数日で修理が完了します。
その間に、切れてしまった背もたれの革紐を瞬間接着剤で圧着する補修作業を行うことにしました。

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7月 31, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

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