先日ご紹介した唐木の座敷机塗り替えに関して、再度お問い合わせがあったのでご紹介します。
K様より
丁寧なご連絡をいただき、有難うございます。ご提案も分かりやすく、助かりました。いくつか質問させてください。
まずウレタン塗装で依頼し、子供が成長したあとに再度本漆塗りにぬりなおしをしていただくことは可能でしょうか?(勿論、再度料金が発生することは了承します)あと座卓は毎日の食卓として使用しています。本漆塗りにした場合、日々のお手入れはどのようにしたらよいでしょうか?度々質問して申し訳ございません。
安田屋家具店よりご返信
ウレタン塗装で塗り替えた後、将来、本漆塗りで塗り替えることは難しいと思います。再度塗り替える場合は、同じウレタン塗装となります。
その逆の本漆塗りで塗り替えた後、将来、ウレタン塗装仕上で再度塗り替えることはできます。
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先にご説明したように、塗り替える場合は、前の塗装をはぎ落す必要があります。しかし細かい接合部分などは完全に除去することが難しいです。ウレタン塗装を完全に除去できないので、木地の状態にできない部分が残ります。そのためその部分への漆が浸透しませんので、仕上がりがきれいになりません。そのためウレタン塗装を本漆塗りに塗り替えることはできないのです。
本漆塗りにした場合の日々のお手入れ方法は、座卓使用後はぬるま湯に浸した後、堅く絞った柔らかい布で天板表面を拭き、さらに乾いた柔らかい布で拭いてください。拭く時は、強く拭いたり、拭き過ぎますと、艶が消えたりキズが付いたりして早く傷みがちです。
艶がなくなってきたと感じたら天板表面全体を拭き、ごく少量の菜種油を付けた綿で全体をなじませた後、乾いた柔らかい布で拭き取ってください。また漆は紫外線に弱く、直射日光に当たると変色しますので、直射日光に当てることは避けてください。
拭く時に使用する柔らかい布は、タオル地は避けてください。一番良いのは男性下着のメリヤスです。それも新しいものではなく、何回も洗濯した使用済みのメリヤスが一番良いです。
天板上に長期間、物を置いておくと、その部分のみ色の変化が遅れ、痕が残ったようになってしまいますので注意が必要です。時々天板上に置くものの位置をずらしてください。
夏場などに冷たいジュースやビールなどが入ったコップを天板上に置く場合は、極力コースターを使用してください。直接置く場合も使用後は直ぐに天板上の水分を拭きとってください。そのまま放置しますと水分が浸透し、漆塗りの下の木地まで到達し、その後、輪ジミとして天板表面に浮き上がってきてしまいますので十分注意が必要です。特に日本酒やビール、焼酎、ワイン、ウイスキーなどのアルコール類は特に注意が必要です。
本漆塗りの場合、普段の食事テーブルとして使用するのはあまりお勧めしません。ウレタン塗装よりも傷が付きやすいので毎日の食卓テーブルとしての使用はあまり適していないと思います。お役に立つ情報であれば幸いです。
以前ご紹介した「座卓塗り直し」記事はコチラをご覧ください。
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