愛知県のK様から、秋田木工のハイスツールNo.16Rの籐シート張りの座面を布張りに改良するご相談がありましたのでご紹介します。
秋田木工の商品は、2022年1月より安田屋家具店でも再び取扱店となり、商品展示及び販売を行っています。代表的な椅子の展示を実店舗で行っていますので、ぜひご来店いただき、座り心地を体感ください。
長らく取り扱いができなかった「秋田木工」商品を再び取扱できるようになった経緯は、近々ご紹介いたします。
さて話は戻します。
秋田木工スツールの布張りタイプは、木枠渕周りに布張り座面をはめ入れるための段差を作り、そこに布張り仕上げをした座板をはめ入れて、裏側からネジ止めで固定する方法です。
座面布張り外周に木部が見えるようにしています。
そのため現在の籐シートをはめ入れている溝部分から内側に座面板をはめ入れる段差を加工する必要があります。
段差部分に布張り仕上げをした座面板をはめ入れます。
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この方法による座面板を布張りに変更しての張替修理は、段差加工費+座板製作+布張り加工費を合わせて1脚税込20,000円程度(2022年1月時点)になると思います。布地が「ラムース」の場合、布地単価が高いこと、1脚のみであると布地のロス部分も必要になることから、一般的な布地よりも少し高めとなります。
布張りに変更する場合、木枠渕周りに段差を加工せず、布張りの座板を現在のスツール木枠に直接取付ける方法があります。
この場合、座面布張りの周囲には木枠は見えない状態となります。この方法ですと、1脚税込16,000円(2022年1月時点)と
籐シート張替と同じ費用となります。
総合的に判断すると、布張りに変更されるよりも、籐シート材での張替をお勧めします。また強度を増すための十文字補強を入れられることをお勧めします。
現在、座面が籐シート材の椅子はほぼ皆無です。これは籐シート材が昔に比べて耐久性が低い材料しか入手できないからです。特に大量生産する工場での安定仕入ができないため、籐シート材の座面椅子が作られないのです。
籐シート材の座面椅子は、軽いのが特徴です。
折角の秋田木工の椅子なので、籐シート材での張替が良いと考えます。
お役に立つ情報であれば幸いです。
K様からご連絡
お世話になります。早速のお返事ありがとうございました。 お陰さまで修理方法のメリット、デメリットがよく理解できました。 アドバイスしていただいた通り、籐シート材の座面裏に補強を入れる方法で修理をお願いしたいと思います。 こちらの住所は愛知県稲沢市ですので、車でスツールを持参させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
K様、ご用命ありがとうございます。修理期間はお預かり後10日前後の予定です。ご来店をお待ちしております。
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