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真空貼りの修理完了

さて先日お預かりした下駄箱の扉修理が完了しました。


             修理前                     修理後

当初予定では、扉木枠を分解して、下段部分の鏡板(MDFボード)を取外し、新しい板に取り替えるはずでしたが、やはり木枠の分解は簡単なものではありませんでした。扉上部の木枠は、左右の木枠の上から接合してあるので、取り外しはやりやすいのですが、下部の木枠は左右の木枠に挟まれていますので、扉木枠を全て分解しないと外れない構造になっています。問題は、分解した後に以前のように組み直しが出来るかです。扉木枠は当然簡単に外れないように接合してありますので、接合部がきれいに外れないと組み直しができなくなってしまいます。職人と相談です。

その結果、扉の分解は危険性が高いので取りやめ、扉裏側の木枠の鏡板部分がはめ込んである部分をルーターで削り落として取外すことにしました。一般的に鏡板は木枠に彫り込まれた溝に数ミリ差し込んであるだけの構造なので、この方法の方がきれいに仕上がりますし、扉の組み直しも必要ないので、修理費用も比較的安価にできます。


             修理前                      修理後

そしてこれが仕上がった状態です。いかがですか。新品同様にきれいに仕上がっていることがわかりますでしょう。鏡板部分は「シナ合板」材を使用してウレタン塗装仕上げを施しました。木枠の塗装色とほぼ同じです。今回はお客様のご要望もあり、扉全体の塗り直し修理も同時に行ないましたので、新品同様にリフレッシュいたしました。

鏡板のはめ込み方法は、取り外す時にルーターで鏡板をはめ込む溝を削り落としてしまったので、扉裏面から鏡板を扉の木枠にあてがった後、角材を扉木枠に打ち付けて四方を押さえて固定させます。

今回の修理費用は、扉1枚税込12,800円でした。送料は別途です。

扉3枚となると合計38,400円となります。それなら新しい下駄箱を買い換えたほうが安いのではないかと思われるでしょうが、15年ほど前の今回と同じ品質の下駄箱はありません。アウトレット家具店のチラシに掲載されている、1万円とか2万円前後のカラーボックス的な品質の下駄箱であればあるでしょうが、耐久性もググッと低くなりますし、今回のような不具合が生じた場合は、修理ではなく買換えのために粗大ゴミとして破棄することになるでしょう。地球にも、環境にもよくないです。

お客様も修理御見積をご提案したときは価格で悩まれましたが、扉の上部が飾りガラスになっている3枚扉の下駄箱はどこを探してもないし、このデザインが気に入っているとのことでご修理を決断されました。今回の修理で、鏡板部分がめくれてしまうようなことはもうありません。また何十年とご使用いただける下駄箱となりました。

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9月 28, 2012 · Posted in その他の家具修理  
    

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