下駄箱の扉丁番金具が破損したので修理して欲しいとのご連絡が岐阜市内のお客様よりありましたので早速見に行ってきました。観音開きタイプの下駄箱で、扉前面に鏡が取り付けてある重量のある扉の金具がポキッと折れてしまっていました。
使用されている金具を確認すると・・・・、よかったぁー!!、現存している「15-20」アングル丁番金具でした。金具が現存しているので、簡単に取り替えるだけです。ただし扉側のカップ径を確認しないといけません。ちょっと古い金具ですと長さが数ミリ短いために、扉に彫られた穴に新しい金具が入らないことがあります。そうなるとノミやルーターを使用して穴を彫り広げる作業が必要となります。
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扉側の彫り込み穴を確認すると、カップ径は35㎜で問題ないようです。
いったん扉をお預かりして安田屋家具店にもどり、在庫棚から「15-20」金具を準備します。鏡付扉のため重量があるので、4個のアングル丁番金具が取り付けられていました。
新しい金具を扉の掘り込まれた穴に入るか現物で確認します。どうやら問題ないようです。3箇所のネジを止めて扉にアングル丁番金具を固定します。4個の金具を取り付け終えたら、すぐにお客様宅に再訪問です。
お客様宅玄関先で、下駄箱に扉を取り付けます。
今回交換したアングル丁番金具は「RABBIT」社製の金具を使用しましたが、元の金具は他社製なので微妙に取り付けネジ位置が違っています。そのため取り付け方法にはちょっとしたコツがありますのでご紹介します。
まず扉一番上のアングル丁番金具の家具側板に取り付ける金具の真中のネジを差し込んで、軽く止めます。この真中のネジ穴は、上下に余裕があるような穴になっていますので、多少扉を上下に調整できます。
次に扉一番下のアングル丁番金具の家具側板に取り付ける金具の真中のネジを差し込みます。この時、元のネジ穴にビスが入るように扉を少し上に持ち上げるようにして調整します。元のビス穴にネジが入ったら強く締め付けて固定します。その後、扉一番上のネジを順番に3箇所取り付け固定します。扉一番上と下のアングル丁番金具を固定し終えたら、真中部分の残りのアングル丁番金具をネジ止めして固定します。これで元通りに扉が取り付きます。
家具側板側に取り付ける金具の真中の穴の位置は上下に調整できるので問題ないのですが、上下の穴の位置は微妙にずれている場合が多いです。するとネジが元のネジ穴位置に引っ張られて斜めに入ってしまう場合がありますが、最後まで強く締め付ければ問題ありません。多少ネジが斜めになっていても、見た目は悪いですが、耐久性には問題ありませんのでご安心下さい。
真っ直ぐに入れ込むには、取り付け前の一手間が必要となります。元のネジ穴位置に丸棒で埋め木して、金具をあてがった後、キリで下穴をあければ見た目もスッキリな真っ直ぐにネジが入っていきます。
さて、修理が完了いたしました。
どうでしょうか。
ご購入当時の新品同様に扉の開閉がスムーズにできます。これでまた何十年と愛着を持ってご使用いただけることでしょう。
今回のご修理費用は、金具代金税込450円×4個と、出張技術費4,200円の合計6,000円でした。
岐阜市外の場合は若干出張技術費がアップしますのでご了承下さい。
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