数日前の新聞折込チラシです。
ガガガガァーーン!!
またまた街の家具屋さんの閉店です。
「閉店セール」とか「店じまいセール」というチラシであれば、店内改装のため閉店セールとか、一年中「閉店セール」をやっている店舗もあるように、特段気にもしないのですが・・・・、今回のは『完全廃業』と大きく掲載されています。
ということは・・・・、またまた岐阜市内の家具屋さんが無くなってしまいます。ご結婚時の婚礼慣習がなくなっていることと、家具屋が無くなっていくことは密接に関係があります。婚礼時の慣習が薄れ、廃れていくことによって人と人、家と家との結びつきがない結婚となっていきます。婚礼道具としての家具需要も無くなったことによって、ブライダル家具需要で儲けを出していた家具業界は、小売店、製造工場、果ては金具工場に至るまでどんどんと廃業していっています。
特に街の家具屋さんがなくなることによって、家具修理や家具の移動、お部屋のインテリアプランなど気軽に依頼できる場所が年々減っていっています。これはお客様自身にとって、実は深刻な問題なんですけどね。
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ニ○リ、イ○ヤさんを代表するような安価な家具が多く出回ることにより、家具価格が下落し、さらにアウトレット家具なる低価格だけを訴求した家具を見る機会が増えたお客様は、当然それらの家具購入を行なうことは仕方がありません。でもそれらの家具は、使い捨て家具であり、修理をすることを考えていません。
大量に販売し他家具は、数年後には使い捨ててもらって、そしてまた買い換えてもらう。この大量生産・大量消費の循環構造が基本なので、大型店舗やアウトレット家具店は家具修理を行ないませんし、技術的にできないです。なのに街の家具屋さんがどんどん減っていっているということは、この先、どんな良い家具を購入したとしても、それを修理・修復してくれる家具屋さんがないということになります。つまり、どんな良い高額な家具であったとしても、使い捨ててしまわなければならなくなる時代がやってくるということでしょうか。何か無性にさびしくなってきました・・・・。
さてそんなことを考えながらチラシを見ていると、主催者は完全廃業する家具屋さんではなく、別の業者名がチラシの隅っこに小さく明記してありました。「仏壇○○」
んんんんん、なんかよく見る名前だなと思ったら、以前に廃業した家具店の閉店セール時にも主催していた会社だということに気がついた。
完全廃業することは大変なことなんです。
店内に展示してある家具を全て売り切ってしまい、店舗内を空にしなければなりません。これを個人店で行なっても全てを売り切ることはとても難しく、どうしても残ってしまう家具が出てしまいます。たとえ無料としても引き取り手のいない家具も出てくるんです。
そんな場合、今回のような業者さんに依頼すれば、展示・在庫してある全ての家具をまず買い取ってくれます。ただし二束三文の金額でしょうが、一品も残さず買い取ってくれて、もって行ってくれる訳ですから、廃業する家具屋にとってはありがたいことです。廃業するのですから、儲けも赤字も考えていられませんからね。
買い取った業者は、買取条件として廃業する店舗で閉店セールを行い、70%、90%OFFなんていう衝撃の激安価格でチラシ配布を行い、ある程度の家具を売り切るようにします。家具が足らない場合は、業者手持ちの家具(他店の廃業時に買い取った家具や、それらが売れ残った家具など)を補充してセールを行います。このときどういうわけか仏壇セール販売も同時に行なわれているのが常のようです。1ヶ月間程度セールを行い、終了します。売れ残った家具を全てトラックに積み込んで業者は廃業する家具店を去ります。売れ残った家具は、アウトレット家具店に流れたり、他店の廃業時のセール時に展示するのでしょうかね。
この時に購入する場合の注意。
家具購入時には、必ずキズなどの有無を確認しましょう。
購入後のアフターサービスはありません。なぜなら主催した業者との連絡は取れませんし、廃業した家具店は廃業したためこちらも連絡が取れないからです。売りっぱなしのアフターケアーがない家具と割り切りましょう。耐久消費財である家具のアフターサービスがないって、結構問題ですね。結局は使い捨て家具になってしまうような気がします。
それにしても疑問がひとつ。
このような家具店廃業請負業者みたいな会社には、廃業する家具店が連絡するのでしょうか???、それとも業者が廃業する家具店を探し出すのでしょうか???
家具業界の事情通に聞いてみると、餅は餅屋で、弁護士や税理士など、廃業をする際に相談する方々から情報が家具店廃業請負業者に流れ、廃業する家具店を訪れて商談するそうです。ちゃんと道があるんですね。
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