お客様からリビングチェアーの修理についてお問合せがあった。写真も添付されて送られてきていた。
ソファーの張替の見積もりをお願いします。色は同色で座面、側面は本革ですが裏面は合皮でもよいと思います。ソファーのクッションが悪くなっているので合わせて修理をお願いします。
片袖チェアー 2脚 幅 65 高さ 75 奥行き 80cm
袖無チェアー 3脚 幅 54 高さ 75 奥行き 80cm
おっおっーー!!
懐かしいリビングチェアーです。
四代目が若い頃、多く販売したデザインのチェアーです。
しかし残念ながら現在ではほとんど生産中止と なってしまった「片肘チェアー」「肘無しチェアー」を 組み合わせるタイプのリビングチェアーセットです。 張地の仕上げは、人体の体が触れる座面・背面の表面に 本革を使用し、チェアー側面・裏面には同色の 合成皮革(ビニールレザー)を使用した「半革仕上げ」 という方法です。
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このデザインのチェアーの多くは、座面内部の緩衝材に ゴムベルトを井桁状に張ったウエビングテープ仕上げを 施してあります。ウエビングテープで無い場合は、S字型バネ(通称:波バネ)が 使用されています。そのテープ(又はS字型バネ)の上にウレタンクッション材を のせて表地を張ってあります。
長年の使用で、この緩衝材であるウエビングテープが 伸びてしまい、さらにウレタンクッション材もへたって 居ることが想像されます。 ソファーのクッションが悪く感じられるのはこのためです。 座られるとお尻が座面に落ち込むような座り心地ではない でしょうか。
修理内容としては、全面張替修理となります。
現在の張り地を取り外します。 次に中身ウレタン材を取り外し、緩衝材であるウエビング テープを新しいものに張替えます。 S字型バネ(通称:波バネ)が使用されている場合は、 バネを一度取り外し、再度ピンとなる状態に取り付け直し、 さらにバネ材を補強するためウエビングテープを 新しく張ります。 そしてウレタンクッション材も新しい材料に取替えます。
この中身を取り替えることによって、座り心地は新品時に もどります。 中身の補修が終われば、張地の縫製作業となります。取外してあった張地の縫製部分を丁寧に取り外し、 1枚1枚に分解します。分解した部分が型紙となります。 新しく使用する生地(本革・合成皮革(ビニールレザー)・布地) に分解した部分の型紙を当て、生地を裁断します。裁断後、カバーを縫製します。
ご使用のチェアーの縫製方法は、チェアーカバーを先に 縫製しておいて、椅子本体に被せ、最後にチェアーの底部分の木枠にエアーネイルで生地を打ち止めて仕上げる方法だと思われます。
張替える生地として、現在と同じ「半革仕上げ」であれば、本革と合成皮革(ビニールレザー)を使用したコンビ張りを 行なった場合の修理金額は下記の通りです。
■片肘チェアー 139,000円×2=278,000円(税込)
■肘無チェアー 98,000円×3=294,000円(税込)
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5脚合計 税込金額 572,000円
張替える生地を全て合成皮革(ビニールレザー)を 使用した場合(2,100円/m生地使用の場合)
■片肘チェアー 68,000円×2=136,000円(税込)
■肘無チェアー 49,000円×3=147,000円(税込)
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5脚合計 税込金額 283,000円
岐阜市内であれば引取り・お届けの運搬は無料サービスです。
修理期間はお預かり後3週間前後です。
張替えられる場合は、本革、合成皮革(ビニールレザー) ともに色見本の中からお好みの色をお選び頂けます。
現在、このようなリビングチェアーはほぼすべて生産中止となっています。サイズは現在のリビングチェアーと比較すると コンパクトなサイズで使い勝手が良いチェアーです。特に奥行き、長さが 現在の椅子よりも小ぶりなサイズです。 コンパクトなサイズで、組合せも自由に出来る このような椅子はとても貴重な椅子ともいえます。
張替えられる場合、総張りタイプの椅子は 修理金額と買い替え金額を比較すると微妙な価格になります。特に現代では安価な輸入品が出回っていますのでなおさらです。 ただし安価な商品の寿命は4~5年程度ですので 総合的にお値打ちかどうかは怪しいですが・・。
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