お客様から70年前の祖母様のご婚礼家具である桐たんすの洗濯についての問い合わせをご紹介しましたが、そのご返信です。

安田屋家具店からの返信
写真を見ました。一般的なお嫁入り道具の一つである桐たんすです。桐たんすの種類としては、前面と左右側板に桐無垢板を使用し、その他の部分である棚板や背板、引出しの前板以外に杉材を使用した「三方桐たんす」です。

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昔は腕の立つ桐職人のみが総桐のタンスを作り、見習職人は練習用に三方桐をつくりました。そういう訳で、練習用の三方桐の方が圧倒的に世に出回る数は多かったのです。そんな桐タンスでも昔は給料の3か月分位する高価な家具です。数多く桐たんす洗濯を手掛けている安田屋家具店でも、総桐たんすに出会うことはめったにありません。

祖母様がヘビースモーカーが原因で黒くなったのではありません。長年の使用でたんす表面のトノ粉が全て取れてしまい、桐のあくなどが表面に出てこげ茶色に変色したのです。タバコを吸う吸わないに関係なくどのご家庭でもこげ茶色に変色しますのであしからず・・・。他のお客様の桐たんすもこげ茶色に変色しています。もちろんヘビースモーカーのお客様ではありませんでした。

洗濯前

洗濯修理方法ですが、まず金具を全て取り外し、お湯で桐表面の汚れを洗い落とします。次に木部を充分に乾燥させた後、さらに鉋で表面を削り、内部はペーパーをかけます。次に木部の割れや破損部分を補修します。その後、桐たんす砥の粉仕上げといって、表面を削った後に、砥の粉とヤシャブシというカバノキ科の木の実を煎じた汁を合わせたものを塗り、最後に金具を取り付けて仕上げます。

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11月 6, 2014 · Posted in 桐たんす洗濯  
    

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