先日修理のご依頼がありました各務原市のS様宅へ、下駄箱吊り扉のレール取替え修理にお伺いしました。
破損したレールは、吊り扉用プラスチック部品「羽無しタイプ」専用のシングルレールです。樹脂製のレールのため、経年劣化で欠損していました。
この記事の続きを読む »
まずはこの樹脂製のレールを天板の溝から取外します。レールは接着剤と所々でネジ止め、またはタッカー針(ホッチキス針の大きいもの)で止めてあるはずです。
スマホの電灯でレールの溝内部を丹念に確認すると、4か所ほどネジ止めしてありました。細いプラスドライバーでネジを外します。
その後はマイナスドライバーをレールとはめ入れてある溝との境界に差し込んでレールを起こし、溝から外します。ところが・・・・、
なかなかレールが外れません。
接着剤がたっぷりと付けてあるようです。マイナスドライバーを無理やり突き刺してレールを起こすと、バキバキと割れます。レールは取替えるので割れても問題ありませんが、レールを入れる溝を壊してしまうと新しいレール取付に支障が出るので、慎重に作業します。
2本のレールを外すのに30分ほどかかってしまいました。
樹脂製のレールを取外した後、天板裏側の溝に残った接着剤をヤスリやサンドペーパーで除去します。溝に段差があると新しいレールに支障が出るので、接着剤カスを取り除き平らにします。
次にレールの長さを測り、持参した130㎝長さのレールを切断します。お客様から聞いたレールの長さよりも数センチ長かったので、事前にカットせず、現場で切断する作業にしたのは正解でした。やれやれ。
レールには事前に実店舗で取付ネジ穴を4か所ほど開けておきました。
ここで忘れてはならない手順があります。
吊り扉を吊る部品「羽無しタイプ」を事前にレールに差し込んでおくことです。この部品は、部品をはめ入れる切り欠きをレールに付けておかないと後入れができません。そのためレールを取付けた後、部品を入れ忘れるとレールをまた取外す必要があります。くれぐれもご注意ください。
今回、お客様の古い部品は摩耗も少なく、そのまま使用することもできましたが、何十年も使用され続けた部品でもあるので、レール取替え時に新しくすることにされました。
切断したレールに「羽無し部品」を差し込んでから、接着剤を塗ります。
木工ボンドは使用できません。木工ボンドは接着剤を溶かした水分がなくなることでくっつきます。今回の場合、下駄箱天板側の溝は木部なので水分が吸収されますが、レールはアルミ製のため水分が吸収されないため、くっつかないのです。くっつかないので強度は低い状態です。
そのため今回はアルミ材が接着できる接着剤を用意して使用しました。ホームセンターで販売されている商品を使用すれば大丈夫です。
接着剤を塗ったレールを下駄箱天板側の溝にはめ込み、ゴム槌で叩いてはめ込みます。次にレールに開けておいた取付ネジ穴にネジを入れて止めます。
この状態で接着剤が固まるために一晩おいておくことにしました。
そして扉に付いている取手部品の破損状況を確認。樹脂製部品です。部品の一部の飾りが欠損しています。このまま使用することはできますが、見た目が悪い。
といって、この大きなサイズの部品はもう現存しないと考えられる。木で作るのも費用がかかる。何とかならないかと思案するために、扉2枚を実店舗に持ち帰ることにしました。 つづく
【関連記事】
下駄箱吊り扉修理
続々 下駄箱吊り扉修理
« 元に戻る