O様からチェスカチェアー背面・座面の籐シート張替修理のご相談がありました。一般的な「溝決め込み仕上げ」ではなく、「手編み仕上げ」での張替です。
O様からのお問い合わせ
安田屋家具店ホームページを拝見させていただきました。 手編みのチェスカチェアを所有しており、修理をお願いしたいのですが、座面、背面を手編み製法にて修理する場合のお見積りをいただけますでしょうか?
溝決め込み仕上げへ改造も検討したのですが、手編みを気に入っており、手編み製法にて修理を検討したいと考えております。 お忙しいと思いますが、何卒よろしくお願い致します。
座面裏に「GAVINA社」のロゴと「made in italy」シールがありました。
Cesca Chair (チェスカチェアー)は、Marcel Breuer(マルセル・ブロイヤー)の名作椅子です。1950年代からの初期はイタリアのGAVINA社が正規製造販売を行っており、その後現在のknoll(ノール)が製造を行っています。今回のO様所有のチェスカチェアーはGAVINA社製ですからヴィンテージ品ですね。
安田屋家具店からの返信
現在と同様の「手編み仕上げ」での修理費用は下記の通りです。
背面張替(手編み仕上げ) 1脚税込 67,000円
座面張替(手編み仕上げ) 1脚税込111,500円
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合計金額 178,500円
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お客様宅~当店・当店~お客様宅への往復送料が別途必要です。背・座面部材のみ発送すれば片道概ね1,000円程度の送料です。手編み仕上げ修理は年内作業が満杯です。そのため年内持込で来年(2024年)2月末の仕上がり予定となります。
手編み仕上げは、1脚10万円以上のブランド品チェアーやヴィンテージアンティークチェアの張替が多いです。尚、昔に比べて現在の籐材料の耐久性は低下している状況ですのでご了承ください。
一般的には「溝決め込み仕上げ」に改良してからの張替が多いです。今回のGAVINA社製の椅子を「溝決め込み仕上げ」に改良しての張替は、手編み仕上げに比べて大幅にコストダウンできます。
ただ背・座面枠に深さ7mmの溝を彫る必要があり、木部の厚みが残るか、強度的に大丈夫かを現物確認が必要となります。木枠の厚みによっては改造できない場合があります。また「溝決め込み仕上げ」は手編み仕上げに比べて強度が半減します。そのため座面裏側に籐皮を撚った籐バンドを十文字に取付ける「十文字補強」、または井桁状に取付ける「井桁補強」を取付けることをお勧めします。
溝決め込み仕上げに改良した場合の修理費用は下記の通りです。
背面張替(溝彫加工含む) 1脚税込23,600円
座面張替(溝彫加工含む) 1脚税込23,600円
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合計金額 47,200円
お客様宅~当店・当店~お客様宅への往復送料が別途必要です。背・座面部材のみ発送すれば片道概ね1,000円程度の送料です。別途費用の補強仕上げは下記の通りです。
十文字補強 1脚税込 6,000円
井桁補強 1脚税込10,000円
ご検討賜り、張替を希望される場合はぜひ安田屋家具店にご用命下さい。
O様からの返信お世話になります。
早速のご返信ありがとうございます。手編みでの修理費、溝決め込み仕上げのご提案ありがとうございます。手編みと比較すると、溝決め込み仕上げの金額はとても魅力的です。一度、家族会議をさせていただきたいと思います。何卒よろしくお願い致します。
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