安田屋家具店の建物は昭和48年(1973年)に建てられました。今からちょうど50年前です。建てられてからすでに半世紀が経過しました。アチコチにガタがきていますが、修理修繕をしながら維持しています。
今回、安田屋家具店ビルの特徴である2階までの高さの大きなガラス面のメンテナンスです。
50年前、1970年代にこのような大きなガラスを使用した設計のビルが全国的に流行った時代がありました。今ではあまり見かけませんね。
安田屋家具店のガラス面は、横幅9m、高さ6mです。1枚のガラスサイズは、横幅1.2m、高さ6m、厚み15mmです。現在このようなガラスを製作するのは難しいようです。またガラスの厚みは最低でも19mmを使用しなくてはならない基準に変わったそうです。
昔、二代目「甚助」に聞いた話ですが、本来、安田屋家具店のガラスは無色透明ガラスのはずでした。しかし施工時にどこでどう間違えたのかはわかりませんが、色付きガラスが現場に届いたそうです。工事関係者は仰天し、慌てふためいたそうです。
今更作り直すこともできず、最終的には大幅な値下げ交渉の末、甚助が了承し、届いた色付きガラスを施工したといういきさつがあったのです。
色付きガラスは、夜間になると店内の照明の雰囲気が抜群に良いのです。しかし反面、明るい昼間は外から店内がほぼ見えなく、鏡のような状態になってしまいます。店内で店番をしていると、道行く人が鏡面と化したガラスに向かって、身だしなみをチェックしたり、お化粧直ししたりします。店内にいる人からは丸見えなんですが、店外の人からは店内の人の視線に気づくことができず、面白い光景が多々見られました。
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安田屋家具店のガラスは、天井から金具を使用して吊り下げているんですよ。なので倒れてくることは無いんです。
建設から50年経過したこともあり、今回飛散防止フィルムを張る工事をすることにしました。ガラス表面・裏面ともに飛散防止フィルムを張ります。
作業当日、高所作業車と脚立を使用して、外面から工事します。
フィルムがうまく張れるように、最初にガラス面の清掃を行います。業者による本格的なガラス清掃は何年ぶり・・・、いや何十年ぶりになりますかね。積もり積もった汚れがきれいになります。
横幅9m、高さ6mのガラス全面は、丸一日かかりました。
それにしてもさすが職人、プロですねぇ。
見とれてしまうくらいきれいにフィルムが貼られていきます。仕上がり具合も大満足。
明日は店内からガラス裏面に飛散防止フィルムを張ります。そのため工事できる領域を確保するため、展示家具の一部を移動する作業を行わなければなりません。疲れるなぁー。
追伸
翌日、店内での工事も終わりました。
ガラス面は、見違えるほどきれいになりました。
店内から見ても、ガラス面はホント、きれいになりました。50年目のメンテナンス工事でした。職人の皆さん、猛暑・酷暑の中、ありがとうございました。
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