先日お預かりしたスウェーデンのデザイナー、ブルーノ・マットソン氏(1907~1988)
デザインの、日本と北欧の融合ともよべる成形合板家具の傑作コレクション、天童木工の
MAシリーズ ダイニングチェアー背もたれ籐シート張替え修理が仕上がってきました。
Before (張替え前) After (張替え後)
23年間の使用によって籐シートが破れてしまったのですが、本体、座シートクッションは傷んでいないので、想い出が刻み込まれて愛着があるこの椅子を修理したいとのご相談でした。
製作した天童木工では樹脂性シートに仕様変更されているため、「天然籐シートを使用してほしい」とのお客様のご希望にこたえるため、当店の【 籐製品の鉄人 酒井職人 】にて張替えを行いました。
今回使用した材料は、籐四つ目シート 生地仕上げ(無着色)、仕法は、溝決込み仕上げです。
籐シートは着色すると糊付けしたような状態となり伸縮がしにくくなるため破れやすくなります。
張替えの場合は【 生地仕上げ 】をお勧めします。
仕法の溝決込み仕上げとは、籐シートが張ってある周囲に溝が切ってあり、その溝にシートをのせてから、丸い籐芯で籐シートを溝にはめ込み留める仕法です。
一般的な溝決め込み仕上げでは、籐シートや籐芯を止めるのにエアーネイル(ホッチキス針を大きくしたような釘)を使用しています。修理の場合、このエアーネイルを取り外すのに一苦労します。
というのもとりバス作業で、本体木部フレームを傷つけてしまうことがあるので、本体を傷つけないよう細心の注意が必要となります。しかし細心の注意をしても、一般的に製作するときは修理するときのことを考えず製作していることが多く、しっかりとエアーネイルを打ち付けていることが多くて取り外すときに若干本体木部に傷がついてしまうことがあります。
当店で修理する場合は、エアーネイルを使用しません。
本体フレームの色は23年経過したことにより決して人工的には出せない自然な黄金色(アメ色)に変化していますが、今回張り終えた籐シートはまた張りたてなので白っぽく目立ちます。しかし年数の経過とともに籐シートも徐々に黄金色(アメ色)に変化し、フレームの色と一体化していくことでしょう。
Before (張替え前)
After (張替え後)
籐シートの張替えのご相談はぜひ一度安田屋家具店にご相談ください。
現在の状況写真と張り替える部分のサイズをメールにてご連絡いただければ無料にてお見積もりさせていただきます。
籐張替えのご相談は、こちらへどうぞ!!