先日ご紹介しましたご婚礼家具セットの中の「和たんす」の内部を改造するリフォーム施工を行いましたので、ビフォー・アフターとしてご紹介します。
改造する前の内部は、着物を収納する盆引き出しが収納されています。
盆引き出し部分は、取り外しができるようになっていますので、盆引出しを取り外し、左右のタイコ板を取り外します。
施工が必要なのは、本体に固定されている横棚と縦棚です。
作業がしやすいように最初に扉を外します。
横棚を切断した状態
横棚を取り外すために、背板の裏側からタッカー(ホッチキスを大きくしたもの)で横棚に打ち付けてあるタッカー針を抜きます。その後、横棚を左右の側板から10cmほどの部分で、ノコギリで切断します。背板をノコギリで傷つけないように注意深く作業を行います。横棚の左右をノコギリで切断したら、縦板がダボで接合しているので、横棚をカナヅチでたたいて、縦板のダボを外し、横棚を取り除きます。
横棚を取り除いた後、本体左右の側板に取り付いたままになっている残骸を取り外します。本体の側板にダボで接合し、さらに接着剤も使用していると考えられるので、側板を傷つけないように注意深く作業します。のみを側板と残骸の隙間に差し込んで、少しづつ隙間を大きくしてダボの接合箇所を外していきます。
ダボだけでなく接着剤が使用されていて、こういうときに限ってこの接着剤がよく効いていて、取り外すのにかなり手間がかかりました。最後は、隙間にノコギリを入れて、接合している3箇所のダボを切断して取り外しができました。
横棚の残骸を取り外した状態です。
どういうわけか、側板に2箇所穴が開けられていました。
なぜ?????
当初の予想では、ダボだけで接合しているので、取り外した後の補修として、ダボ穴を埋め木して着色する考えでいました。ところが埋め木できないほどの大きな穴が開いているではありませんか。なぜ、どうして????
横棚を取り付けたりするために使用している穴ではありません。構造的に不必要な穴です。なぞは深まるばかりですが、対処方法を考えなければなりません。取り外した横棚の表面部分を切り取り、側板に取り付ける方法で穴ふさぎの補修をすることとしました。
現場施工では、当初の想定ではなかったことがおきますので、臨機応変が必要ですし、数多くの経験をつまなければ即座に対応できません。ここに家具リフォーム経験数がものをいいます。
さて対処方法を決めてから、今度は縦板の取り外しです。天板にダボで接合してあるだけだと思いますので、縦板を少し左右に動かして、天板との間に隙間を作ります。この隙間にのみを入れて、少しづつ隙間を大きくして、取り外します。
縦板を取り外した後の天板部分です。取り外した部分には塗装がしてありませんので、色付け補修を行います。
次に洋服吊り用のパイプを取り付けるのですが、本体側板部分には芯材が入っていません。取り付け部分の側板の中は空洞となっています。このままパイプを取り付けてもネジが効かず、洋服をかけたら重さに耐えられず落ちてしまいます。
そこで、パイプ取り付け位置に補強材を取り付けます。今回は桐無垢板を着色した板を使用しました。
取り付けネジが効く部分(つまり側板の中身が空洞となっていなくて、芯材が入っている部分)は、たんす本体の最後部と最前部のため、たんすの奥行きとほぼ同じ長さの補強材を取り付けました。左右ともに取り付けます。
補強材を取り付けた後、パイプハンガーを取り付けます。長さが105cmありますので、左右のエンドキャップだけでなく縦板が取り付いていた中央部分にもパイプ吊り金具を取り付けました。これで改造完成です。
改造後の写真です。全体はこのようになりました。
穴ふさぎもあまり目立ちませんでした。
着物収納から洋服収納に変わりました。今日からたくさんの洋服が収納されることと思います。
作業開始から2人で約2時間かかりました。費用は出張費なども含めておよそ6万円前後です。
このような家具の改造をお考えの方は、ぜひ家具リフォーム経験数の多い職人がいる安田屋家具店にご相談ください。メールで現状の写真を送っていただければリフォーム方法・御見積金額をお知らせします。
ご自宅で施工を行う場合は、あまりご遠方ですと出張できませんので事前にご相談ください。