23年前に当店にてご購入されたダイニングチェアーのご修理相談があり
早速商品を見てきました。

その椅子は今も現役で生産・販売している、もちろん当店にても展示展開している
椅子です。

その椅子とは・・・、スウェーデンのデザイナー、ブルーノ・マットソン氏(1907~1988)
デザインの、日本と北欧の融合ともよべる成形合板家具の傑作コレクション、天童木工の
MAシリーズでした。

材質はブナ材、背もたれ部分に四つ目籐シート張りです。
座面クッションは、簡単に取り外しができるようにボタンで取り付けてあるだけなので
張り替えるのではなくクッション取替えでメンテナンスができる、長ぁーーーぃ使用期間を
考えて作られている椅子です。(現代の使い捨て椅子とは大違いですネェー)

23年経過すると本体木部のブナ材も、人工的には絶対に出せないアメ色に変化しています。
当店に6月初旬に展示した同じ椅子と比較した写真がコレです。

 

左が23年前の椅子、右が新品の椅子です。
色の違いがわかりますでしょうか。アングルを変えてみると・・、

23年経過した椅子も、ご購入当時のもともとの色は、左の新品の椅子と
同じだったのですが、年数が経過するごとに自然に色がアメ色に変化しています。

今回ご修理相談の内容は、背もたれに張ってある籐シートが破れたので
張り直してほしいとのことでした。現状はこんな状態です。

拡大すると、破れ箇所が広がりつつあります。

天童木工では現在、天然の籐シートの品質・耐久性が年々悪くなるばかり
のため、以前のように自信を持って製品が生産できないとのことで、
この籐シートは、耐久性を考えた樹脂製シートに仕様変更しています。
ただ天道木工のすごいところは、樹脂シーといえども天然籐シートの
雰囲気をそのまま残した作りとなっています。

この辺が安物家具とは違うところですね。
この違いはぜひ現物で確認していただきたいところです。

お客様は樹脂製よりも天然の籐がいいとのことで、耐久性を持った
天然籐シートで張り替えることを考えなくてはならなくなりました。

難しぃぃーーー!!
天童木工では天然の籐シートで修理できないので、籐職人によって修理するしかありません。

しかしこの籐職人の選択が問題なのです。

かって当店でも地場の籐職人に張替えをさせたことがありますが、張替え技術は
あるのですが、現状張ってある籐シートを取り外すときに、椅子本体木部に傷をつけて
しまうことが多々あったのです。

長年全国の籐職人を探した中、修理価格・技術・仕上がり状態を見て判断した結果
現在当店が自信をもってご提案できる【 籐製品の鉄人 酒井職人 】にたどり着いたのです。

今までに何十件と酒井職人による修理を行いましたが、いずれもお客様にご満足
いただいております。

今回の張替え修理も、どんな状態になったのか仕上がりましたらまたご報告いたします。

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