ダイニングテーブルのリフォームに関してお客様からお問合せがありましたのでご紹介します。
半年ほど前に緑色のテーブルの塗り直しとカットについてお店に聞きに行った者です。30年以上前に買ったテーブルの天板を塗り直したいのですが、どこに聞いても出来ない、買い直した方が安いと言われました。でも、この天板を同じ色に塗り直して使いたいのです。ダイニングテーブルの写真を添付いたしました。現在物置状態になっており、上に色々乗っている状態で見にくくなっており、申し訳ありません。天板サイズは90cm×150cmですが、70cm×120cmにカットして、ワークテーブルに再利用したいと考えております。
天板の塗り直しと、テーブルサイズを小さくしたいとの内容でした。今までも数多く手がけたことのあるリフォーム内容です。まずは添付されてきた写真を確認します。
板脚のH脚タイプでした。
縁周りは10~15㎜前後の単板が張ってある仕上げです。天板面が薄い(1ミリ以下)突板ですので、削りすぎると下地の合板が出てしまいます。写真手前側の白くなっている塗装が剥げている部分がどの程度なのか、またあまり深いキズが天板にある場合は、そのキズは残ります。深い傷をなくすように天板を削ると下地の合板が見えてしまうからです。
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想像よりも状態が悪い場合は、新しい突板材を張り直さなければならなくなります。
したがいまして突板を張る、張らないで修理費用は変わります。
ただ写真を見ての予想では、削るだけでよいかと思います。
サイズ変更ですが、奥行きの90cmを70cmにするのは問題ないと思います。長さの150cmを120cmにする場合、現在の脚の取り付け位置が天板端から何cm入ったところにあるかが問題となります。30cm短くするのがご希望なので、片側15cmづつの切断となります。すると天板端から15cm以上中に入った位置に脚が取り付いていれば問題ないのですが、それ以下の場合は、脚と脚を接合している長い板を切断しなくてはならなくなります。その分手間がかかりますので、当然修理費用は高くなります。
脚の取り付け位置ギリギリまで天板の左右の端を切断した長さでのサイズ変更であれば、脚の加工が必要ないのでその分修理費用は安価になります。
天板切断に関しての問題は、この天板の仕上げ方は「フラッシュ構造」といって、天板の中は空洞になっています。つまり木枠を造り、さの上下に下地材の合板を張り、その上に天然木の突板を張り、縁周りに単板を張り塗装して仕上げます。切断した部分に木枠の芯材が入っていれば縁周りの新しい単板を貼り付けることができますが、芯材がない場合は新しい芯材を切断面の隙間に埋め木してから単板を張る必要がでてきます。
最後に塗装色ですが、現在の色に近い色での塗装は可能ですが、全く同じ色での仕上げは無理ですのでご了承下さい。塗装前に、色板見本を作り確認いただくようにいたします。
以上のことから、正確な修理費用は現物を見て、実際に作業に入らないとわからない部分があります。修理費用に関しては、写真での判断での概算見積金額をご提案させていただき、予算的に合えば、商品をお預かりして再度最終的な見積金額をご提案させていただきます。その時点で予算以上かかり、中止される場合は商品をご返却させていただきますのでご安心下さい。二度の御見積作業と手間がかかりますが、お客様のためですから労は惜しみません。早速、職人に相談しに向かう四代目でした。
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