以前にもご紹介した話なんですが、街の商店がなくなりつつあります。米屋、酒屋、電気屋、クリーニング屋、八百屋、魚屋、レコード屋・・・・・・、家具屋だって同じです。業種を問わず、あらゆる街の商店がなくなっています。街の商店がなくなっていくのは、お客様が大型店での買い物が多くなっているからです。品揃えも豊富、価格も安い、わずらわしい接客もない等が理由でしょうか。こんなことを書いている四代目も、休日は子供を連れて郊外大型店に行っているのですから、世の中の大多数は同じだということがよくわかります。

 では街の商店の存在意義とは何なんでしょうか。

 街の家具屋に限定すれば、お客様の役に立つこと、それが存在意義ではないかと思います。家具屋がなくなって不便になるのはお客様自信なんですね。街の家具屋は「便利屋」的な仕事が多々あります。家具の移動、引越し、修理などなど。特に一番多いのは家具の移動でしょうか。部屋から部屋への移動、2階から1階への移動、1階から2階への移動など。大型の洋服タンスなどの移動が多いですね。

 20年ほど前までは、これらの作業は全て無料でした。もっとも自社で御買上いただいたお客様だけですけど。他店でご購入のお客様の作業は有料でしたが、それ以前に他店でご購入のお客様からそのような問い合わせがあることはありませんでした。家具屋の数も多かったですから。

 しかし時代は流れ、それらの作業のほぼ全てはお金の対価として全て置き換えられました。配達は○○円。移動は○○円。修理は○○円。不必要なサービス価格を商品価格に上乗せしないこととなり、商品価格は安価になりました。安価にはなりましたが、ちょっとしたことでも全てお金がかかる時代になりました。そして業種も細分化されています。引越し屋・便利屋・修理屋、お掃除屋などなど・・・・。

  これっていいことなんでしょうか。 不便な世の中になったのでしょうか。

 商品価格は安くなったけど、耐久年数が低い粗大ゴミ予備軍としての家具、移動も修理も全て有料。時には購入価格と変わらない費用がかかったりすることもあります。家具だけでなく、電化製品も同じです。な~んか、不便な世の中になったような気がしてならない四代目です。

 さて愚痴はこのぐらいにして、街の家具屋の存在意義となるような仕事がありました。数十年前にご購入の洋服タンスを3階から1階に移動して欲しいとのこと。御買上いただいた当時と比べて手すりが付いたりして階段の幅がせくなってしまい、階段から降ろせずに困ってしまいご相談をいただいたわけです、このお客様には、今まで家具は全て安田屋家具店でご購入いただいておられますし、お客様をもご紹介していただいたりと大変お世話になったお客様です。階段から降ろせないのなら街の家具屋の出番です。ロープを使ってベランダから吊り降ろすことにしました。

3階から1階へ

 クレーン車などの機械を使用せず、人力で降ろします。
 ロープの結び方が重要なんです。企業秘密で教えられませんが、プロの技です。

 
 当て布団とロープを持って3階に・・・・。

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12月 7, 2011 · Posted in 四代目のつぶやき  
    

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